目次
- 1 目次
- 2 概要
- 3 ASUS(エイスース)はパソコンのマザーボードの定番メーカー
- 4 完成品にするかベアボーンにするか?
- 5 ASUS PN53(Ryzen 5版)の完成品とベアボーンの仕様概要
- 6 構築プラン別の完成品・ベアボーンの合計費用
- 7 選定したメモリーの種類と価格
- 8 選定したSSDの種類と価格:PCIe Gen4x4対応、発熱と価格を抑えるローエンド
- 9 選定したOSの種類と価格
- 10 ASUSのミニPC ピックアップ
- 11 ミニPC インテルNUCキット版 ピックアップ
- 12 内蔵SSD(M.2 SSD、2.5インチ SATA SSD)を検討する
- 13 最新のWindows OSのライセンス購入を検討する
- 14 ミニPCに関する投稿一覧
- 15 参考 ASUS ミニPC PN53のWebサイト
- 16 参考 AMDのWebサイト
概要
この投稿では、ASUSが2023年6月に発売したAMD Ryzen 5 7535H CPU搭載ミッドレンジクラスのミニPCのベアボーン「PN53-B-S5068MD」と、その完成品「PN53-S5097AD」を、メモリーとSSDの容量を変えて構築した場合の合計費用の比較を紹介します。
構築プランは4つです。
- 完成品標準仕様(メモリー 8GB、SSD 256GB)
- メモリーのみ2倍(16GB)
- 容量2倍(メモリー 16GB、SSD 500GB)
- 容量4倍(メモリー 16GB、SSD 1TB)
補足
- 2023年7月時点の情報です。
- 価格は調査時点での目安価格です。
ASUS(エイスース)はパソコンのマザーボードの定番メーカー
ASUSの日本での発音は「エイスース」です。2012年10月より発音が統一されました。
ASUSとは、1989年に台湾で設立されたASUSTeK COMPUTER INC.のブランド名です。
日本法人はASUS JAPAN株式会社です。
自作PCのマザーボードではおなじみの定番ブランドです。
完成品にするかベアボーンにするか?
パーツ価格を抑えるならベアボーン、時間的コストを抑えるなら完成品という選び方もあります。
完成品
完成品のメリットは出荷時に搭載済みのパーツの動作が保証されていることにあります。
出荷時に搭載されていたメモリーとSSDに初期不良があれば、メーカーのサポートが受けられます。
ただし、自分であとから増設、交換したパーツについてはサポートの対象外です。
パーツが取り付け済み、OSがインストール済みなので、セットアップ作業の時間的コストを削減できます。
ベアボーン
ベアボーンのメリットは、好みのパーツを導入できる点や、パーツ価格を安く抑えられることにあります。
同じ容量のメモリーとSSDで組んだ場合、完成品よりもベアボーンの方が安価になります。
一方、パーツの取り付けと動作確認、OSのインストールなどの作業が必要で、時間的コストが発生します。
自分で増設、交換したパーツについてはサポートの対象外ですので、動作不良が発生した場合は自力で解決する必要があります。
原因が相性問題なのか、パーツ自体の不具合なのか、取り付けミスなのかなど。
ASUS PN53(Ryzen 5版)の完成品とベアボーンの仕様概要
特徴
- ミニPC PN53の完成品とベアボーンの違いは、OS・メモリー・ストレージの有無です。
- ベアボーンには、OS・メモリー・ストレージが含まれていません。
- 搭載CPUは、Zen3+アーキテクチャーのAMD Ryzen 5 7535H。
- 性能と価格のバランスが取れたミッドレンジのCPUで、オフィスアプリで作業しつつWebブラウザーや複数のアプリを同時起動しても快適に動作します。競合製品はインテルのCore i5で、インテルよりも価格が抑えられています。
- メモリー規格は、DDR4よりも高速なDDR5に対応。
- DDR5 SO-DIMM同士であれば、異なるメモリチップ規格でも互換性があり動作します。DDR5-4800、DDR5-5200、DDR5-5600など。
- DDR4やDDR3など異なるメモリ規格は互換性がなく動作しません。物理的に差すことができません。
- M.2ストレージは、PCIe Gen3よりも高速なPCIe Gen4x4に対応。
- PCIe Gen3規格とも互換性があるので、M.2 PCIe Gen3 SSDも動作可能です。
項目 | 完成品 | ベアボーン |
---|---|---|
発売日 | 2023年6月2日 | 2023年6月6日 |
メーカー | ASUS | ASUS |
製品名 | PN53-S5097AD | PN53-B-S5068MD |
目安価格(税込) | ¥95,220 | ¥64,620 |
CPU | AMD Ryzen 5 7535H | 同左 |
グラフィックス機能 | AMD Radeon Graphics 660M(CPU内蔵) | 同左 |
搭載済みOS | Windows 11 Home | 無し |
搭載済みメモリー | 8GB 1枚(空きスロット 1) | 無し(空きスロット2つ) |
搭載済みストレージ | M.2 SSD PCIe 256G 1つ(空きスロット1つ) | 無し(空きスロット2つ) |
メモリー最大容量 | 64GB(32GB x2) | 同左 |
メモリー対応規格 | DDR5-4800(PC5-38400) SO-DIMM | 同左 |
ストレージ M.2 | M.2 2280 PCIe Gen4x4 NVMe SSD、2スロット、対応容量 256GBから2TB | 同左 |
ストレージ 2.5インチ | 2.5インチ SATA 6Gb/s、1台、対応容量 1TB 7200rpm 7mm HDD | 同左 |
本体サイズ | 幅130mm x 奥行き120mm x 高さ58mm | 同左 |
メモリーの最大容量について
ASUS Storeの日本サイトに記載の仕様には、「メモリ容量 最大搭載容量 32GB」とあります。それが1枚当たりなのか、合計の容量なのかは判断できない記述です。
しかしASUSの英語サイトではAMD Ryzenの7000Hシリーズを搭載したモデル(SKU)では「最大 32GB x 2枚」と判断できる記述があります。
そのため、当サイトではメモリー最大容量を64GB(32GB x2)と記載しました。
[引用]
Up to 32GB x2 DDR5
Dual channel SO-DIMM memory
32G DDR5 memory only supported on 7000H series SKU
[出典] ASUS ExpertCenter PN53 英語サイト(ASUSのWebサイト)
発売日2023年6月2日
完成品
ASUS デスクトップミニパソコン (Ryzen 5 7535H/8GB(最大:32GB)/SSD 256GB/Windows 11 Home)【日本正規代理店品】 PN53-S5097AD ブラック
発売日2023年6月9日
ベアボーン
構築プラン別の完成品・ベアボーンの合計費用
選定したメモリーとSSDの種類と価格の詳細は、この後の項目をご覧ください。
プラン | 価格(税込) | 差額 | |||
---|---|---|---|---|---|
プラン名 | メモリー | SSD | 完成品 | ベアボーン | - |
1. 完成品と同容量 | 8GB x1 | 256GB | ¥95,220 | ¥89,757 | ¥5,463 |
2. メモリーのみ2倍 | 16GB(8GB x2) | 256GB | ¥100,151 | ¥94,806 | ¥5,345 |
3. 容量2倍(メモリー・SSD) | 16GB(8GB x2) | 500GB | ¥104,641 | ¥95,706 | ¥8,935 |
4. 容量4倍(メモリー・SSD) | 32GB(16GB x2) | 1TB | ¥115,672 | ¥101,688 | ¥13,984 |
補足
- ベアボーンの価格には、OS価格(完成品と同じWindows 11 Home 日本語版)を足しています。
- カスタマイズでメモリーを2枚構成にしている理由
- メモリーは1枚よりも2枚(デュアルチャネル構成)の方がデータ転送速度が向上するためです。
- 完成品およびベアボーンへのパーツの追加・交換はメーカーではおこなっておりません。ご自身でパーツを用意し、取り付けます。
選定したメモリーの種類と価格
メモリーの物理的なサイズ規格は主にノートPCや小型PC向けのSO-DIMMです。
Micro-ATXやATXマザーボードを搭載したデスクトップPC向けのDIMM規格とは異なるのでご注意ください。
パーツ分類 | 容量 | 製品名・型番 | 目安価格(税込) |
---|---|---|---|
メモリー DDR5-4800 SO-DIMM |
8GB x1 | Crucial CT8G48C40S5 | ¥4,931 |
16GB(8GB x2) | Crucial CT2K8G48C40S5 | ¥9,980 | |
32GB(16GB x2) | CORSAIR CMSX32GX5M2A4800C40 | ¥13,962 |
選定したSSDの種類と価格:PCIe Gen4x4対応、発熱と価格を抑えるローエンド
SSDは用途や予算によって選択肢は様々です。
- 用途では、PC向け、制作向け、ゲーム向け、サーバー向けなど。
- 品質・速度・機能面では、ハイエンド(高性能)、ミッドレンジ(標準性能)、ローエンド(価格重視)など。
- ハイエンドは速度が向上する分、発熱量も増し熱対策(放熱、エアフローによる排熱)がより重要となります。
ここでは次の条件でSSDを選定しました。
- PC向け。
- PCがPCIe Gen4x4対応ということで、PCIe Gen4x4対応のSSD。
(PCIe Gen3規格のSSDも動作可能です) - 小型PCの排熱性能を考慮し、発熱を抑えられるローエンドクラスのSSD。
パーツ分類 | 容量 | 製品名・型番 | 目安価格(税込) |
---|---|---|---|
ストレージ M.2 PCIe Gen4x4 NVMe SSD |
250GB | Kingston SNV2S/250G | ¥3,590 |
500GB | Kingston SNV2S/500G | ¥4,490 | |
1TB | Kingston SNV2S/1000G | ¥6,490 |
選定したOSの種類と価格
日本向けのASUSのミニPC PN53 完成品に搭載されているOSはWindows 11 Homeのみで、Pro搭載モデルはありません。
海外向けにはPro搭載モデルがあります。
パーツ分類 | 容量 | 製品名・型番 | 目安価格(税込) |
---|---|---|---|
OS | - | Windows 11 Home 日本語版 | ¥17,600 |
以上
ASUSのミニPC ピックアップ
DDR5対応AMD Ryzen 5 7535H CPU搭載
発売日2023年6月2日
完成品
ASUS デスクトップミニパソコン (Ryzen 5 7535H/8GB(最大:32GB)/SSD 256GB/Windows 11 Home)【日本正規代理店品】 PN53-S5097AD ブラック
発売日2023年6月9日
ベアボーン
DDR5対応AMD Ryzen 7 7735H CPU搭載
発売日 2023年6月2日
完成品
発売日 2023年6月9日
ベアボーン
DDR5対応 第13世代インテルCoreプロセッサー搭載
発売日 2023年6月9日
完成品 Core i5-13500H搭載
発売日 2023年6月9日
完成品 Core i7-13700H搭載
ミニPC インテルNUCキット版 ピックアップ
NUCの「キット」版は、別途メモリ・ストレージ・OSが別売りの半完成品のPCです。
ノートパソコンよりも簡単にメモリー・ストレージの交換ができます。
発売年 2023年
第13世代インテルCoreプロセッサー・ファミリー搭載。
用途で迷ったら、CPUは処理能力が中レベルのi5をおすすめします。
※電源アダプターは付属していますが、コンセントとアダプターを接続するための電源ケーブルは付属していません。電源ケーブルの端子形状は製品仕様をご確認ください。たいていは「ミッキー型のACコードC5」です。
[関連投稿]
「ミッキー型のACコードC5」電源ケーブル
内蔵SSD(M.2 SSD、2.5インチ SATA SSD)を検討する
M.2 PCIe Gen3x4 NVMe SSD
2023年時点で市販されている主なM.2 PCIe NVMe SSDのラインナップは、PCIeの世代によってPCIe Gen 3と、PCIe Gen 4の2つがあります。
PS5で使用するSSDはGen4x4への対応が必須です。
同世代でも低速、中速、高速モデルがあります。
Gen 3のなかでも低速モデルはシーケンシャル読み取りと書き込みは1000MB/s前後ですが、それでも2.5インチSATA3.0 SSDの最大速度600MB/sよりも高速です。
高速モデルは規格上の最大速度に近づく分、熱暴走を防ぐための放熱対策が重要になります。ヒートシンク取り付けの際は、PC内にヒートシンクが干渉しないスペースがあることを確認することが必要です。
M.2 PCIe Gen4x4 NVMe SSD
PCIe Gen 3の後継であるPCIe Gen 4は、データ転送速度が最大で2倍に向上しました。2023年3月時点で最速の世代です。
PCIeには下位互換があるので上限がGen 3のPCでも、Gen 4のSSDを使えます。その場合の最大速度はGen 3に制限されます。
PS5向けのM.2 SSD用ヒートシンク
2.5インチ SATA SSD
ノートPCの数世代前の2.5インチSATA HDDをSSDに交換するだけで大幅な速度向上と静音化を実感できます。
2023年時点で120GBが1000円台、256GBが2000円台です。
最新のWindows OSのライセンス購入を検討する
2023年02月時点でのWindowsの最新バージョンは「Windows 11」です。
- サポート切れのOSの使用は多大なリスクを伴います。
- Windows 7 のサポートは2020年1月14日に終了、Windows 8.1 のサポートは 2023年1月10日に終了しました。サポート切れのOSではセキュリティ更新プログラムが受けられなくなり、ウイルス感染、個人情報の漏えいのリスクを負います。
Windows 11 Pro
Pro版はテレワーク等、仕事だけでなく個人利用でも最適です。リモートデスクトップ(サーバー)、情報保護、暗号化に対応。
ダウンロード版(オンラインコード版)
パッケージ版(USBメモリ版)
Amazonで購入の際は「販売元」が「Amazon.co.jp」または「mazon.com Sales, Inc.」であるものを推奨します。
Windows 11 Home
Home版はProからいくつかの機能が制限されており安価です。
ダウンロード版(オンラインコード版)
パッケージ版(USBメモリ版)
補足
他にも最大4つのCPUと6TBのメモリをサポートしている「Pro for Workstations」版、企業で一括管理するのに適したEnterprise版もありますがここでは省きます。
ライセンス購入前に動作確認をするにはこちら
ストアでのライセンス購入前に無料でインストールイメージをMicrosoftのサイトからダウンロードしインストールをおこなえます。インストールメディアはUSBメモリやDVDなどを使います。
- [方法]
ミニPCに関する投稿一覧
参考 ASUS ミニPC PN53のWebサイト
ASUS ExpertCenter PN53 日本サイト
ASUS ExpertCenter PN53 英語サイト
- 英語サイトでは、AMD Ryzenの7000Hシリーズを搭載したモデル(SKU)で搭載可能なメモリーは最大 32GB x 2枚(合計64GB)との記述があります。
参考 AMDのWebサイト
AMD Ryzen 5 7535Hの仕様(7535HSではない)
2023年以降、AMD Ryzenに新たな命名規則を採用 | Announcing New Model Numbers for 2023+ Mobile Processors