目次
- 1 目次
- 2 概要
- 3 はじめに
- 4 表の共通事項
- 5 比較対象としたSSD
- 6 PCIe Gen3のパソコンでもGen4 M.2 SSDは利用可能
- 7 PCIe Gen4x4の速度上限はPCIe Gen3x4の2倍の約8GB/s
- 8 同じ容量のSSDで価格が異なる要因は?
- 9 ハイエンド、スタンダード、ベーシックモデルのどれにするか?
- 10 【容量120GB】PCIe Gen4とGen3 M.2 SSDの価格比較表
- 11 【容量250GB】PCIe Gen4とGen3 M.2 SSDの価格比較表
- 12 【容量500GB】PCIe Gen4とGen3 M.2 SSDの価格比較表
- 13 【容量1TB】PCIe Gen4とGen3 M.2 SSDの価格比較表
- 14 PS5動作確認済みPCIe Gen4 M.2 SSDの価格比較表
- 15 ヒートシンクやサーマルパッドでM.2 SSDの熱暴走を防ぐ
- 16 内蔵M.2 PCIe NVMe SSDを検討する
- 17 内蔵SSD2.5インチ SATA SSDを検討する
- 18 USB接続 M.2 SSDケースを検討する
- 19 M.2 PCIe NVMe SSDに関する投稿一覧
- 20 ミニPCに関する投稿一覧
- 21 参考
概要
この投稿では、PCIe Gen4とGen3対応のM.2 PCIe NVMe SSDを順次読込速度順(カタログスペック値)で並べた価格比較表を紹介します。
PS5動作確認済みSSDも含んでいます。
補足
- 2023年7月時点の情報です。
- 価格は調査時点での目安価格です。
はじめに
今回紹介する表は、M.2 PCIe Gen4x4 NVMe SSD対応ミニPCへの買い替えを検討するにあたって作成したM.2 SSD選定用データです。
Gen4 M.2 SSDはGen3と互換性があるため、Gen3対応パソコンで使うためのM.2 SSD選びでもGen4 M.2 SSDを選択肢に入れることができます。
PCIe Gen4対応のパソコンが普及し始め、Gen4 M.2 SSDの価格も下がってきています。
同じ速度帯であればGen3よりもGen4の方が価格が安い場合もあります。
表の共通事項
- 順次読込速度(シーケンシャル読込速度)を縦軸、PCIe Gen3とGen4を横軸にしてM.2 SSDの価格をクロス集計したマトリックス表。
- シーケンシャル(順次)読込速度が低い方から高い順に並んでいる。
比較対象としたSSD
- 接続・通信規格 M.2 PCIe Gen NVMe。
- 容量 120GB、250GB、500GB、1TB。
- 順次読込速度帯 1,000MB/sから7,000MB/s。
- 価格帯 500GBで3,000円台から10,000円台、1TBで6,000円台から15,000円台。
- 用途 PC向けまたはPS5向けのSSD。
- 入手性 他量販店で購入可能なメーカーまたはブランドのSSD。
PCIe Gen3のパソコンでもGen4 M.2 SSDは利用可能
Gen4 M.2 SSDはGen3と互換性があるので、PCIe Gen3x4が上限(PCIe Gen4x4をサポートしていない)のパソコンでも、Gen4x4のSSDを利用することができます。
ただし速度は低い方(Gen3x4)の上限に制限されます。
PCIe Gen4x4の速度上限はPCIe Gen3x4の2倍の約8GB/s
M.2 PCIe Gen3x4 NVMe SSDの速度上限の理論値は約4GB/s。PCIe Gen4x4はその2倍の約8GB/sです。
PCIe Gen4x4はゲーム機PlayStation5で使用可能なSSDの要件の一つです。
同じ容量のSSDで価格が異なる要因は?
同じ容量のSSDで価格が異なる要因は様々です。
商品選びで分かりやすい要因には、読み書き速度、耐久性、データを保存するNANDの種類が挙げられます。
速度面
- シーケンシャル読込速度
- シーケンシャル書込速度
- 4Kランダム読込速度
- 4Kランダム書込速度
耐久性指標
- TBW(Total Byte Written)
SSDはデータを書き換え可能な回数に上限があります。それを表わす指標がTBWで、SSDが寿命に達するまでに書き換え可能なデータ容量の総容量を表わします。数値が大きいほど耐久性が高いことを意味します。保存可能なデータ容量とは異なりますのでご注意ください。
データを記録するNANDフラッシュメモリの種類
耐久性高い MLC > TLC > QLC 低い
容量 小 MLC < TLC < QLC 大
Samsungの「V-NAND 3bit MLC」とはTLCのことです。
ハイエンド、スタンダード、ベーシックモデルのどれにするか?
性能表現 | ハイエンド | スタンダード | ベーシック |
---|---|---|---|
速度 | 高 | > | 低 |
消費電力 | 高 | > | 低 |
発熱 | 高 | > | 低 |
価格 | 高 | > | 安 |
ハイエンド
- 最速を求める作業やゲームに最適です。SSDの発熱量が大きいため熱暴走をしないためにヒートシンクを搭載し放熱したり、パソコンやゲーム機には優れた冷却構造を備えている必要があります。
スタンダード
- オフィスアプリやビジネス用途で快適性を損なわない速度を発揮します。性能と価格のバランスが良いモデルです。
ベーシック
- 初期コストを優先する場合や、低発熱・低消費電力を優先する薄型ノートパソコンや小型パソコンに最適です。
- 表では速度は「低」ですが、それでも2.5インチSATA SSDの2倍以上の高速性能を備えています。
【容量120GB】PCIe Gen4とGen3 M.2 SSDの価格比較表
製品名のリンク先はAmazon.co.jpです。
順次 読込 [MB/s] |
順次 書込 [MB/s] |
Gen3x4 | 製品名 | 4Kランダム 読込 QD32 [IOPS] |
4Kランダム 書込 QD32 [IOPS] |
TBW [TB] |
---|---|---|---|---|---|---|
1,600 | 600 | ¥1,870 | Patriot P300 128GB P300P512GM28 | 290K | 150K | 60 |
調べたメーカーの中において、容量120GBのPCIe Gen4版はありませんでした。
【容量250GB】PCIe Gen4とGen3 M.2 SSDの価格比較表
製品名のリンク先はAmazon.co.jpです。
順次 読込 [MB/s] |
順次 書込 [MB/s] |
Gen3x4 | Gen4x4 | 製品名 | 4Kランダム 読込 QD32 [IOPS] |
4Kランダム 書込 QD32 [IOPS] |
TBW [TB] |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1,700 | 1,000 | ¥2,570 | Patriot P310 240GB P310P240GM28 | 280K | 250K | 120 | |
1,700 | 1,100 | ¥2,585 | Patriot P300 256GB P300P256GM28 | 290K | 260K | 120 | |
3,000 | 1,300 | ¥3,590 | Kingston NV2 250GB SNV2S/250G | 非公開 | 非公開 | 80 | |
3,200 | 1,300 | ¥3,215 | Patriot P400 Lite 250GB P400LP250GM28H | 110K | 300K | 140 |
【容量500GB】PCIe Gen4とGen3 M.2 SSDの価格比較表
製品名のリンク先はAmazon.co.jpです。
順次 読込 [MB/s] |
順次 書込 [MB/s] |
Gen3x4 | Gen4x4 | 製品名 | 4Kランダム 読込 QD32 [IOPS] |
4Kランダム 書込 QD32 [IOPS] |
TBW [TB] |
キャッシュ DRAM |
PS5動作 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1,700 | 1,200 | ¥3,835 | Patriot P300 512GB P300P512GM28 | 290K | 260K | 240 | |||
1,700 | 1,500 | ¥3,710 | Patriot P310 480GB P310P480GM28 | 280K | 250K | 240 | |||
3,000 | 1,600 | ¥5,531 | ソリダイム SSD 670p 500GB SSDPEKNU512GZX1 | 110K | 315K | 185 | |||
3,100 | 2,600 | ¥6,747 | Samsung 980 500GB MZ-V8V500 | 400K | 470K | 300 | |||
3,400 | 2,500 | ¥4,880 | キオクシア EXCERIA PLUS 500GB SSD-CK500N3P/N | 420K | 570K | 200 | |||
3,400 | 3,200 | ¥5,980 | キオクシア EXCERIA PLUS G2 500GB SSD-CK500N3PG2/N | 650K | 600K | 200 | |||
3,500 | 2,100 | ¥4,490 | Kingston NV2 500G SNV2S/500G | 非公開 | 非公開 | 160 | |||
3,500 | 2,300 | ¥5,048 | Western Digital WD Blue SN570 500GB WDS500G3B0C | 360K | 390K | 300 | |||
3,500 | 2,400 | ¥4,605 | Patriot P400 Lite 500GB P400LP500GM28H | 220K | 500K | 280 | |||
3,500 | 3,200 | ¥5,737 | Samsung 970 EVO Plus 500GB MZ-V7S500 | 480K | 550K | 300 | 512MB LPDDR4 | ||
3,600 | 2,400 | ¥5,390 | シリコンパワー UD85 512GB SP500GBP44UD8505 | 非公開 | 非公開 | 非公開 | |||
3,800 | 3,200 | ¥7,639 | トランセンド 240S 500GB TS500GMTE240S グラフェンヒートシンク搭載 | 190K | 540K | 850 | 搭載 | ||
4,000 | 4,000 | ★PCIe Gen3x4の転送速度の理論値上限 | |||||||
4,700 | 1,900 | ¥4,969 | Crucial P3 Plus 500GB CT500P3PSSSD8JP | 非公開 | 非公開 | 110 | |||
4,800 | 3,500 | ¥8,485 | CORSAIR MP600GS 500GB CSSD-F0500GBMP600GS | 450K | 700K | 300 | |||
5,000 | 3,300 | ¥6,035 | Patriot P400 512GB P400P512GM28H | 550K | 450K | 400 | |||
5,000 | 3,900 | ¥6,182 | Seagate FireCuda 520 500GB ZP500GV3A012 | 460K | 900K | 300 | |||
5,000 | 4,000 | ¥7,515 | Western Digital WD_Black SN770 500GB WDS500G3X0E-EC | 460K | 800K | 300 | |||
6,600 | 4,000 | ¥7,531 | Crucial P5 Plus 500GB CT500P5PSSD8JP | 非公開 | 非公開 | 300 | |||
6,900 | 5,000 | ¥8,667 | Samsung 980 PRO 500GB MZ-V8P500 | 800K | 1000K | 300 | 512MB Low Power DDR4 SDRAM | ||
7,000 | 3,000 | ¥10,000 | Seagate FireCuda 530 500GB ヒートシンク付き ZP500GM3A023 | 400K | 700K | 640 | y | ||
7,000 | 3,000 | ¥6,980 | Apacer AS2280Q4U 512GB AP512GAS2280Q4U-1 ヒートシンク搭載 | 450K | 300K | 350 | y | ||
8,000 | 8,000 | ★PCIe Gen4x4の転送速度の理論値上限 |
【容量1TB】PCIe Gen4とGen3 M.2 SSDの価格比較表
製品名のリンク先はAmazon.co.jpです。
PS5動作確認済みPCIe Gen4 M.2 SSDの価格比較表
前出の表からSSDメーカー公称PS5動作確認済みのSSDをピックアップしました。
PS5で使用できるM.2 SSDの要件では、対象のPCIeの世代はGen4以上ですので、表中にGen3のSSDはありません。
製品名のリンク先はAmazon.co.jpです。
下記はPlayStationサポートのWebサイトで公開されている、PS5で使用できるM.2 SSDの要件の抜粋です。
[引用]
インターフェース PCI-Express Gen4x4対応M.2 NVMe SSD(Key M)
シーケンシャル読み込み速度 5,500MB/秒以上を推奨
PS5でM.2 SSDを使用する場合、ヒートシンクや熱伝導シートなどの放熱構造が必要です。
[出典] PS5に使用できるM.2 SSDは?
ヒートシンクやサーマルパッドでM.2 SSDの熱暴走を防ぐ
2.5インチSATA SSDよりも高速になったM.2 PCIe NVMe SSDは発熱量も増大し、熱暴走による動作不良を防ぐための熱対策の重要となりました。
高速モデルほど発熱量が増大します。内部空間の狭いノートパソコンやミニPCでは速すぎないSSDを選ぶ事も大切です。
次の写真はインテルのミニPC NUCのM.2 SSDの放熱構造です。
パソコン内部の左側にM.2 SSDが取り付けてあります。
金属カバー部分にはM.2 SSDに接するようにサーマルパッドが取り付けられていて、カバーを閉じるとサーマルパッドがM.2 SSDに接触します。
M.2 SSDの熱をサーマルパッドから本体の金属フレームに伝えて放熱する構造になっています。
このような放熱構造が無い場合には、自分でヒートシンクやサーマルパッドを取り付けて熱対策をします。
パソコンの内部空間に余裕があれば厚手のヒートシンクが使えます。
内部空間の狭いノートパソコンなどでは、薄いプレート状のヒートシンクが有用です。
以上
内蔵M.2 PCIe NVMe SSDを検討する
パソコン向けM.2 SSDの規格には主にM.2 PCIe NVMeとM.2 SATAの2種類があります。
互換性はないので、取り付ける外付けケースやパソコンがどちらに対応しているか確認しましょう。
M.2 PCIe Gen3x4 NVMe SSD
2023年時点で市販されている主なM.2 PCIe NVMe SSDのラインナップは、PCIeの世代によってPCIe Gen 3と、PCIe Gen 4の2つがあります。
PS5で使用するSSDはGen4x4への対応が必須です。
同じGen3でも低速、中速、高速モデルがあります。
低速モデルはシーケンシャル読み取りと書き込みは1000MB/s前後ですが、それでも2.5インチSATA3.0 SSDの最大速度600MB/sよりも高速です。
高速モデルは規格上の最大速度に近づく分、熱暴走を防ぐための放熱対策が重要になります。ヒートシンク取り付けの際は、PC内にヒートシンクが干渉しないスペースがあることを確認することが必要です。
上記の後継モデル
[関連投稿]
M.2 PCIe Gen4x4 NVMe SSD
PCIe Gen 3の後継であるPCIe Gen 4は、データ転送速度が最大で2倍に向上しました。2023年3月時点で最速の世代です。
PCIeには下位互換があるので上限がGen 3のPCでも、Gen 4のSSDを使えます。その場合の最大速度はGen 3に制限されます。
[関連投稿]
内蔵SSD2.5インチ SATA SSDを検討する
2.5インチSATA HDDを搭載したWindows PCをSSDに交換することで動作速度の大幅な向上と静音化を実感できます。
[関連投稿]
USB接続 M.2 SSDケースを検討する
M.2 SSDのケース選びの際は、M.2 NVMeとM.2 SATAのどちらに対応しているか、認識できる最大容量を確認しましょう。
対応転送速度別(10Gbps、20Gbps、40Gbps)に紹介します。
通常であれば10Gbpsで充分な速度で、価格も一番リーズナブルです。
10Gbps (USB 3.2 Gen 2、3.1 Gen 2)
M.2 NVMe SSD専用
データ転送レート 10Gbps (USB 3.2 Gen 2、3.1 Gen 2)
対応容量 最大2TB
搭載コントローラー Realtek製 RTL9210
上からカバーをかぶせるタイプなのでSSDの着脱が簡単です。
[関連投稿]
発売日 2022年1月上旬
M.2 NVMe/M.2 SATA SSD両対応
10Gbps (USB 3.2 Gen 2、3.1 Gen 2)
カバーが無いので厚めのヒートシンクを取り付けたM.2 SSDを組み込めます。
発売日 2021年4月頃
M.2 NVMe/M.2 SATA SSD両対応
10Gbps (USB 3.2 Gen 2、3.1 Gen 2)
Inateckとはドイツで設立された、コンピュータ周辺機器の設計、製造および販売をおこなう企業です。
20Gbps (USB 3.2 Gen 2x2、USB4 Gen 3x1)
発売日 2021年3月
M.2 NVMe SSD専用
20Gbps (USB 3.2 Gen 2x2)
40Gbps (USB4 Gen 3x2、Thunderbolt 3 or 4)
M.2 NVMe SSD専用
40Gbps
M.2 PCIe NVMe SSDに関する投稿一覧
WD Blue SN570 1TBのSMART情報と外観チェック。M.2 PCIe Gen3x4 NVMe SSD
ASM2362搭載 Cable Matters M.2 SSDケースの外観と分解レビュー。型番201091-GRY
Cable Matters 外付けM.2 SSDケースにSSDを取り付ける方法
Patriot M.2 SSD US版P300の本体と箱の外観レビュー。型番P300P256GM28US、256GB M.2 PCIe3.0 x4 NVMe SSD
UEFIモードでNVMe SSDにWindows 10 Proをインストールする方法 on 第5世代Intel NUC
M.2 SSDが外付けケースで認識されない時は転送方式(SATAかPCIe NVMe)を確認する
SATAより速いローエンドNVMe SSDで快適に。NUCに取り付ける手順とベンチマーク(Patriot P300 256GB P300P256GM28US)
ミニPCに関する投稿一覧
参考
PCIe Gen 3 と PCIe Gen 4 の違い(KingstonのWebサイト)
PS5に使用できるM.2 SSDは?(PlayStationサポートのWebサイト)