ASM2362搭載 Cable Matters M.2 SSDケースの外観と分解レビュー。型番201091-GRY

目次

概要

この投稿では、Cable MattersのM.2 NVMe SSD用 10Gbps USB 3.1 Gen 2 外付けケース(型番201091-GRY)の外観と分解方法をメインに、搭載チップ、Windows 10の「デバイスとプリンター」で表示される名称、SSDのS.M.A.R.T.情報取得可否を紹介します。

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2022年4月時点の情報です。

購入の経緯

既存PCのOSをWindows 10からWindows 11にするに伴い、SSDも容量と速度をアップグレードしようということで、Western Digitalの内蔵M.2 NVMe SSDを購入しました。

SSDの移行作業に取りかかる前に、新しいSSDをUSB接続の外付けケースに入れて状態チェックをおこなうことにしました。チェック内容は、初期化してフォーマットできるかどうか、S.M.A.R.T.情報でエラーがないか、Windows上にてファイルを読み書きできるかなどの簡単な内容です。

M.2 NVMe SSD用の外付けケースはまだ持っていないため、新たに購入することにしました。

Windows 11にアップグレードするために追加購入したパーツ一式

SSDと合わせて購入したパーツ

  • Cable MattersのM.2 NVMe SSD用 USB 3.1 Gen 2 外付けケース(型番201091-GRY)
  • Windows 11 アップグレード用に、WD SN570 NVMe SSD 1TBを1つ。
  • Windows 11のインストーラーと回復ドライブ作成用に、シリコンパワー Blaze B02 USBメモリ USB3.0 32GBを2つ。
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2023年11月追記:容量2TBのSSDを認識しなくなる症状が発生

2022年4月にこのケースを購入から約1年半後の2023年11月に、新たに2TBのM.2 SSD(Patriot P400 Lite PCIe Gen4x4 NVMe)を購入しました。
この外付けケースに取り付けてWindows 11 PCで動作テストをしていたら、アクセス途中にSSDを認識しなくなり、再接続後にデータが消える症状が発生しました。

チップの放熱用に、熱の伝導率が銅の10倍であるグラフェンを素材にしたスリムグラフェンヒートシールドを搭載。ラベルシールのような薄さなので取り付け空間の制約に影響されません。



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ディスクの管理で初期化すればSSDは使えるようになったので、何度か書き込みテストをおこなったところ都度同じ症状が発生しました。

M.2 SSDの不具合か否かを確認すべく次の環境でSSDを取り付けて動作テストをしたところ上記の症状は発生しませんでした。

  • 別のM.2 SSD外付けケース「ORICO M2PV」(搭載コントローラー Realtek製 RTL9210)
  • PCのマザーボードのM.2 SSDスロット

これらのことから、Cable Mattersの外付けケースのコントローラー「ASMedia ASM2362」は容量2TBに対応していないか、Patriot P400 Lite M.2 SSDのコントローラーと相性問題がある可能性が考えられます。

2TBのM.2 SSDを外付けケースで利用する際には次のケースで対応しました。


M.2 NVMe SSD専用
データ転送レート 10Gbps (USB 3.2 Gen 2、3.1 Gen 2)
対応容量 最大2TB
搭載コントローラー Realtek製 RTL9210
上からカバーをかぶせるタイプなのでSSDの着脱が簡単です。

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商品名と型番

メーカー
Cable Matters

Cable Mattersとはアメリカのマサチューセッツ州が拠点のコンピュータ関連の接続機器の設計開発に注力した会社です。Amazonでの販売元はCable Matters Japanです。

箱に記載の商品名
USB-C™ 3.1 Gen 2 External M.2 NVMe SSD Enclosure
公式Webサイトに記載の商品名
USB C to M.2 Enclosure for NVMe SSD
Product ID
201091-GRY

購入時期と購入店

購入時期 2022年4月
購入店 Amazon.co.jp (出荷元 Amazon、販売元 Cable Matters Japan)

開封から分解

箱 正面

箱 背面

箱 背面 一部拡大 メーカー名と製品名

メーカー名 Cable Matters
製品名

  • 英語: USB-C™ 3.1 Gen 2 External M.2 NVMe SSD Enclosure
  • フランス語 FR: USB-C™ 3.1 Gen 2 Boîtier M.2 NVMe SSD externe
  • ドイツ語 DE: USB-C™ 3.1 Gen 2 M.2 NVMe SSD Externe Gehäuse
  • スペイン語 ES: USB-C™ 3.1 Gen 2 M.2 NVMe SSD cerramiento externo
  • イタリア語 IT: USB-C™ 3.1 Gen 2 M.2 NVMe SSD custodia esterna
  • 日本語語JP: USB-C™ 3.1 Gen 2 M.2 NVMe SSD 外付けエンクロージャ

箱 背面 一部拡大

製造は中国。

開封

封印シール

新品の場合、封印シールが剥がされた跡が無く未開封であることを確認します。

開封

箱の1段目にはケース本体が収納されています。

箱の中身 2段目

箱の2段目には付属品が格納されています。

内容物一式

Cable Matters 201091-GRYの内容物一式
  • ケース本体
  • 取扱説明書(日本語版)
  • ケーブル
    USB-C to USB-Aケーブル 1本、USB-C to USB-Cケーブル 1本
  • 取り付け工具
    プラスドライバー、ケースパネル固定用の予備ネジ2本、スペーサー 1個、スペーサー固定ネジ 2本(うち1本は予備)
  • 放熱パーツ
    サーマルパッド 2枚

付属ドライバー、ネジ類

付属USBケーブルは2本

左は、両端がUSB-Cオス端子のUSBケーブル。
右は、一端がUSB-Aオス、もう一端がUSB-CオスのUSBケーブル。

日本語版 取扱説明書

日本語版 取扱説明書 表紙

取扱説明書は日本語版が同封されています。

日本語版 取扱説明書

インストール方法の説明、故障診断の説明。

日本語版 取扱説明書

技術仕様。

ケース外観

ケース ロゴ面(平面)

ケース本体の材質はアルミニウムです。ケースはSSDの熱暴走を防ぐために、SSDが発する熱を放熱するためのヒートシンクとしての機能を備えています。

ケース下面の放熱フィン

放熱性を高めるためにフィン形状(突起状の構造)になっています。

ケース USB-C端子側(左側面)

USB-C端子の左側の黒い点は、電源ON時に点灯するLEDライトです。
カバー材質はプラスチックです。

電源LEDライト点灯時

ケース SSD取り付け時に開閉するフタ(右側面)

カバー材質はプラスチックです。

ケース分解

M.2 SSDの取り付け方の詳細は、「Cable Matters 外付けM.2 SSDケースにSSDを取り付ける方法 」をご覧ください。

側面のプラスチックカバー

プラスチックカバーの2本のネジを外します。

側面のプラスチックカバーを外した状態

プラスチックカバーを外したら、ケースから基板を引っ張り出します。

基板裏面

基板表面

基板のM Key M.2ソケット

取り付け可能なSSDは、M KeyのM.2 PCIe NVMe SSDのみです。

スペーサーの溝にSSDを仮固定した状態

SSDの基板の表面とケース内側の隙間

SSDの基板の表面とケース内側の隙間は約3.5mmです。

搭載チップ

まずは、性能の要となる搭載チップを紹介します。

ASMedia製のASM2362チップ

刻印文字列 asmedia ASM2362 B36B0207A1 1952
ASM2362は、M.2 PCIe NVMe SSDを外付けUSB SSDとして使えるようにするためのコントローラーです。

主な機能

  • 転送速度1000MB/s
  • OSの標準ドライバーで利用可能(追加ドライバーのインストール不要)
  • 外部USB Type-Cコネクター
  • 内部M Key M.2ソケット対応
  • USB 3.1 Gen 2(10Gbps。1.21GB/s)
  • UASP
  • PCI Express Gen3 x2
  • NVMe Revision 1.3c
  • TRIM
  • S.M.A.R.T.

BoyaMicro製 SPI フラッシュ メモリー

刻印文字列 BoyaMicro 25D40ASTIG 1946

Windows 10の「デバイスとプリンター」で表示される名称

デバイスのプロパティ

Windows上からは「ASM236X series」というデバイス名で表示されます。
ケースに取り付けたSSDの名称を確認するには、前項のCrystalDiskInfoなどでS.M.A.R.T.情報を確認します。

SSDのS.M.A.R.T.情報の取得に対応

CrystalDiskInfoの画面

このケースの搭載チップは、SSDのS.M.A.R.T.情報の取得に対応しているので、ケースに取り付けたSSDの名称と状態をチェックすることができます。

取り付けたSSD WD Blue SN570 1TB
S.M.A.R.T.情報 確認アプリ CrystalDiskInfo 8.12.12
OS Windows 10 Pro 64bit バージョン 21H2

ベンチマーク with WD Blue SN570 M.2 PCIe NVMe SSD 1TB

ケースに取り付けたSSD「WD Blue SN570 1TB」のベンチマーク結果

ベンチマーク結果
シーケンシャル読み取り 460MB/s、シーケンシャル書き込み457MB/sでした。

ベンチマークで利用したPCのUSB 3.0(5Gbps。500MB/s)ポートの転送速度の上限に近い値が出ています。
もしUSB 3.2 Gen 2(10Gbps。1.21GB/s)対応のPCに接続すれば、外付けケースのUSB転送速度の最大値である1000MB/sに近い性能が出ると思います。

PC、ケース、SSDの仕様上の速度理論値

  • PCのUSB性能 理論値 USB 3.0(USB 3.2 Gen 1)。5Gbps(500MB/s)。
  • 外付けケースのUSB転送速度 理論値 USB 3.1 Gen 2。10Gbps(1.21GB/s)
  • M.2 SSD「WD Blue SN570 1TB」の転送速度 理論値
    • シーケンシャル読み取りパフォーマンス 最大3500MB/s
    • シーケンシャル書き込みパフォーマンス 最大3000MB/s

環境

  • ベンチマークアプリ CrystalDiskMark 8.0.4 x64
  • OS Windows 10 Pro 64bit バージョン 21H2
  • デスクトップPC Intel NUCキット NUC5i3RYH

[関連] USB3.0、USB3.1Gen1、USB3.2Gen1は同じ転送速度。USB規格名称と速度早見表

カタログスペック

外部インターフェース USB 3.1 Gen 2 (10Gbps)

取り付け可能なM.2 SSD

  • フォームファクター(M.2 SSDの基板のサイズ)
    M.2 2280、M.2 2260、M.2 2242、M.2 2230
  • M.2 SSDの端子
    M Keyのみ対応。
    B Key、B+M Keyは非対応。
  • データ転送方式
    PCIe NVMe

サポート機能

  • USB 3.1 Gen 2(10Gbps。1.21GB/s)、UASP。
  • PCIe PCI Express Gen3 x2。
  • NVMe Revision 1.3c、TRIM、S.M.A.R.T.。

搭載チップ

  • ASMedia製のASM2362
  • BoyaMicro製 SPI フラッシュ メモリー BY25D40ASTIG

ケース材質 アルミ
サイズ 厚み 約1.5cm x 長さ 約10.7cm x 幅 約4.1cm (厚み0.6インチ x 長さ4.2インチ x 幅1.6インチ)
重さ 約80g (2.8oz)
対応OS すべてのOS
保証期間 1年間

今回購入した製品

以上

リーズナブルな内蔵M.2 PCIe NVMe SSD ピックアップ

2025年3月時点でパソコン向けに市販されているM.2 SSDは「M.2 PCIe NVMe」規格で、速度の違いでPCIe Gen3、Gen4、Gen5の3つに分かれます。

データ転送速度の最大値は、Gen3x4が4GB/s、Gen4x4が8GB/s、Gen5x4が16GB/sです。
「x4」はデータの送受信につかうレーン数を表わします。2025年3月時点で最速はPCIe Gen5です。
PlayStation5のM.2 SSD要件はGen4x4です。

Gen3x4対応のSSDが一律で同じ速度というわけではなく、同じ規格内でも低速から高速のモデルに分かれています。高速になるほど発熱量が増えるので放熱対策が必要になります。

PCIeには下位互換があるので上限がGen3のパソコンでも、Gen4のSSDを使えます。ただしその場合の最大速度はGen3に制限されます。

データ転送方式の異なるM.2 SATA SSD(2.5インチ SATA SSDのことではありません)もありますが、「M.2 PCIe NVMe SSD」との互換性はありませんのでご注意ください。

M.2 PCIe Gen3x4 NVMe SSD

PCIe Gen3x4の低速モデルはシーケンシャル読み取りと書き込みは1000MB/s前後ですが、それでも2.5インチSATA3.0 SSDの最大速度600MB/sよりも高速です。
発熱量が抑えられ、省電力というメリットもあります。

M.2 PCIe Gen4x4 NVMe SSD

チップの放熱用に、熱の伝導率が銅の10倍であるグラフェンを素材にしたスリムグラフェンヒートシールドを搭載。ラベルシールのような薄さなので取り付け空間の制約に影響されません。



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M.2 PCIe Gen5x4 NVMe SSD

USB接続 M.2 SSDケースを検討する

M.2 SSDのケース選びの際は、M.2 NVMeとM.2 SATAのどちらに対応しているか、認識できる最大容量を確認しましょう。


M.2 NVMe SSD専用
データ転送レート 10Gbps (USB 3.2 Gen 2、3.1 Gen 2)
対応容量 最大2TB
搭載コントローラー Realtek製 RTL9210
上からカバーをかぶせるタイプなのでSSDの着脱が簡単です。

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10Gbps (USB 3.2 Gen 2、3.1 Gen 2)

発売日 2024年8月上旬


M.2 NVMe/M.2 SATA SSD両対応
10Gbps (USB 3.2 Gen 2、3.1 Gen 2)
カバーが無いので厚めのヒートシンクを取り付けたM.2 SSDを組み込めます。


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参考

asmedia USB Controller USB3.2 Gen2x1 to PCIe NVMe ASM2362(asmediaのWebサイト)

BOYAMICRO BY25D40ASTIG(T)(LCSCのWebサイト)

Cable Matters USB C to M.2 Enclosure for NVMe SSD
https://www.cablematters.com/pc-1199-125-usb-c-to-m2-enclosure-for-nvme-ssd.aspx

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デル株式会社

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