Reflect 8 FreeでWindows 10のイメージを容量の大きいSSDへパーティションを拡張して復元する方法

目次

概要

この投稿では、Macrium Reflect 8 Freeにて作成したWindows 10 SSDの乗り換え用イメージファイル(システムイメージ)を、元のSSDよりも大きい容量のSSDへパーティションを拡張して復元する方法を紹介します。

イメージ化したSSDのカタログスペック上の容量は256GBで、Windowsパーティションの使用領域は139.30GB。イメージファイル化後の容量が約95GB。
これを1TBのSSDへ復元し使用可能なWindowsパーティションの容量を増やします。

復元にかかった2時間42分33秒でした。

復元作業は、復元先のSSDを外付けケースに入れた状態でおこないました。復元後にそのSSDでWindowsを起動するには、外付けケースからSSDを取り出し、PCマザーボードのSSD用のポートやスロットへ内部接続します。
WindowsはUSB接続の外付けディスクからは起動できないのでご注意ください。

同容量または、より大きい容量のディスクへの移行だけでなく、イメージファイル内のWindows環境が消費している容量以上があれば、イメージ化したディスクよりも小さな容量のディスクへ移行することも可能です。

以降、イメージファイルのうちWindowsの起動に必要なパーティションを含めて作成したイメージを明示的に示す場合はシステムイメージと呼称します。

2022年6月時点での内容です。
Macrium Reflect 8 Freeのバージョンはv8.0.6758です。

Macrium Reflect 8 Freeの最小システム要件

メモリ(RAM) 少なくとも512MB (1GB min recommended) 。
対応OS Windows XP Service Pack 3 または Windows Server 2003 Service Pack 2 またはそれ以降のバージョン。
ハードウェア キーボード、マウス。
レスキューメディアを使用するには、CD/DVD書き込みドライブまたはUSBフラッシュドライブが必要。

復元作業で使用したPC環境

OS Windows 10 Pro 64bit バージョン 21H2

  • BIOSモード UEFI
  • ディスクのパーティションスタイル GPT

システムイメージのパーティション構成とWindows 10 PC環境

パーティション構成

ソース:イメージ化したディスクのパーティション構成

ファイル名 C94794D99A1F3B48-00-00.mrimg

  • イメージファイル容量 95GB

Windowsパーティションの容量 237.82GB

  • 使用領域 139.30GB

イメージ元のWindows 10 PC環境

OS Windows 10 Pro 64bit バージョン 21H2

  • BIOSモード UEFI
  • ディスクのパーティションスタイル GPT

ディスク Patriot Memory P300 (US Version) 256GB M.2 PCIe3.0 x4 NVMe SSD 「P300P256GM28US」

デスクトップPC Intel NUCキット NUC5i3RYH

  • 購入年月 2015年5月
  • 製品コレクション 第5世代Intel Coreプロセッサー・ファミリー搭載 Intel NUCキット
  • 搭載プロセッサー Intel Core i3-5010U Processor (3M Cache, 2.10 GHz)
  • ボード番号 NUC5i3RYB
  • 対応メモリー DDR3L-1333/1600 1.35V SO-DIMM。最大16GB。最大2枚。
  • 搭載したメモリー 2x8GB DDR3L-1600(PC3-12800) SO-DIMM
  • GPU Intel HD グラフィックス 5500
  • 映像出力端子 Mini-DP 1.2、Mini-HDMI 1.4a
  • M.2 カードスロット (ストレージ) M.2 PCIe 2.0 x4 NVMe。サイズ 2242/2260/2280。1スロット
  • 外部USBポート USB-A 3.0(5Gbps) 4つ

液晶ディスプレイ Dell U2713HM (IPS 27インチ、QHD 2560x1440。映像入力 HDCP対応DVI-D、DisplayPort、HDMI、D-Sub)

復元先ディスクの基本スペックと復元前後のパーティション構成

ディスク Western Digital M.2 PCIe NVMe SSD「WD Blue SN570 NVMe SSD 1TB」

M.2 NVMe SSD用 USB外付けケース Cable Matters M.2 NVMe SSD用 外付けケース(型番201091-GRY)

復元前のパーティション構成

復元先のディスク 書き込み前のパーティション構成

復元後のパーティション構成

復元先のディスク 書き込み後のパーティション構成

Windowsパーティションの容量 930.86GB

  • 使用領域 144.52GB

Windowsパーティションの容量が237.82GBから930.86GBへ拡張されました。
どういうわけか元の使用領域が約5GBほど増加しました。

復元先のディスク 書き込み後のドライブのプロパティ

Windowsパーティションの容量 930GB

  • 使用領域 144GB
  • 空き領域 786GB

イメージファイルを保存したディスク

ディスク Seagate Laptop SSHD 1000GB ST1000LM014

  • 容量 1TB
  • インターフェース 2.5インチ SATA 3.0(6Gbps)
  • NANDタイプとサイズ MLC。8GB。
  • DRAMキャッシュ 64MB
  • 発売時期 2013年頃
  • SSHDとは
    Solid State Hybrid Driveの略で「ハイブリッドHDD」とも呼ばれます。SSDが2022年時点よりも高価だった2007年頃に登場しました。ベースはHDDで、SSDと同様のNAND型フラッシュメモリを搭載しており、利用頻繁の高いデータはNAND型フラッシュメモリに一時保存されます。SSDの高速性、HDDの大容量性と低価格性を兼ね備えた補助記憶装置です。

2.5インチSATA SSD/HDD用 USB外付けケース inateck FEU3NS-1E

  • 内部インターフェース 2.5インチ SATA
  • 搭載USBポート USB-A
  • USB規格 USB 3.0
  • Windows 10の「デバイスとプリンター」で表示される名称 「USB 接続 SCSI (UAS) マス ストレージ デバイス」

実践

これから紹介する操作手順は、Windows 10上のMacrium Reflectで操作した際の内容です。Macrium Rescue Mediaから起動したMacrium Reflect上での操作でも同様の手順です。
[関連] Reflect 8 FreeのレスキューメディアをUSBメモリに作成する方法

注意
イメージファイル名、保存フォルダー名、ディスク名、ディスク番号等はご利用の環境によって異なりますので置き換えて読み進めてください。

PCを起動し必要なディスクを接続する

PCの電源を入れる前に、誤って関係の無いディスクに書き込んで内容を消去しないために、復元作業で使用しないディスクは取り外しておく。

PCの電源を入れWindows 10を起動する。

USB HDD

イメージファイルが保存してあるソースディスクと、イメージファイルを復元するターゲットディスクをPCに接続する。

ソースディスクの確認

エクスプローラー

エクスプローラーでソースディスクが認識されたことを確認します。
エクスプローラーを開くショートカットは「Win + E」キーです。

ソースディスク

  • ドライブ文字 D
  • ボリュームラベル USB_HDD_IMAGE

イメージファイル

今回復元するイメージファイルです。
ファイル名 C94794D99A1F3B48-00-00.mrimg
フォルダーの絶対パス D:\GPT_Win10_Image

エクスプローラーでファイルの拡張子を表示するには下記の手順を実施します。
エクスプローラーのメニューバー「表示」 -> 「ファイル名拡張子」にチェックを入れます。

ターゲットディスクの確認

タスクバー「ハードウェアを安全に取り外す」アイコンクリックで表示されるデバイス一覧

ターゲットディスクがPCに認識されていることを確認します。
上記画像の場合「ASM236X series」という名称のアイコンがターゲットディスクです。

今回のSSDは未初期化状態なのでエクスプローラーに表示されません。その場合は下記のいずれかの手順で確認します。

  • タスクバー「ハードウェアを安全に取り外す」アイコン
    タスクバー右下の「ハードウェアを安全に取り外す」アイコンをクリック。
  • 「デバイスとプリンター」画面
    タスクバー左下のWindowsを右クリック -> 設定 -> デバイス -> 関連設定欄の「デバイスとプリンター」をクリック。
  • 「ディスクの管理」画面
    タスクバー左下のWindowsを右クリック -> 「ディスクの管理」をクリック。

デバイスとプリンター

「デバイスとプリンター」画面でのUSBディスクの表示。

イメージファイルを読み込み復元操作画面を起動する

復元操作はGUIの他、コマンドライン(CLI)でも可能ですが、ここではGUIで操作をします。

GUIで復元操作画面を起動する方法を2つ紹介します。

エクスプローラー上でイメージファイルを右クリックする

コンテキストメニュー

イメージファイルを右クリック -> コンテキストメニュー 「復元」をクリック。

復元操作画面

Macrium Reflectが起動し、復元操作画面が表示されます。

Macrium Reflectアプリ上でイメージファイルを選択する

Macrium Reflectの起動直後の画面

Macrium Reflectを起動する。

既存のバックアップ

画面上部メニューアイコン下部のメニュータブ「既存のバックアップ」 -> イメージ -> 「イメージファイルを参照」をクリック。

イメージファイルを読み込む

イメージファイルを選択して「開く」をクリック。

必要なイメージファイルを選択

画面下側にて「選択したフォルダ」でイメージファイルのあるフォルダを選択 -> 必要なイメージファイルを選択 -> 「復元する」をクリック。

復元操作画面

復元操作画面が表示されます。

復元先のディスクを選択する

復元操作画面

画面内上段がソース(読み込んだ復元イメージ)のパーティション構成です。
下段が格納先(復元先のディスク)と復元時のパーティション構成です。

格納先初期値は現在Windowsを起動しているディスクが対象となります。
今回は別のディスクに復元するので、格納先エリアにあるリンク「別のターゲットディスクを選択してください」をクリックします。

格納先ディスク選択画面

一覧から格納先ディスクを選択します。
この環境下での復元先のUSB SSDはディスク 3です。ご利用の環境に置き換えて読み進めてください。

「ディスク 3」の範囲をクリック。

復元操作画面

格納先のディスクが意図するディスクに変更されました。

格納先ディスク名称部分の拡大

格納先ディスク名称に間違いが無いか確認します。

パーティション拡縮設定をおこなう

復元操作画面

ここから復元するパーティションの設定をおこないます。

格納先エリアにある「コピー」機能を使います。これはソースから格納先へどのパーティションをコピーするのかを設定するための機能です。
パーティションのドラッグアンドドロップでもコピーをおこなえます。

格納先エリア -> 「コピー」アイコン -> 「対象のディスクに合わせて拡縮」をクリック。
まだ実際に書き込みはされていません。やり直しが可能です。

今回は容量が大きいディスクへWindowsパーティションを拡張して復元をするので「対象のディスクに合わせて拡縮」をクリックしました。
容量が小さいディスクへWindowsパーティションを縮小して復元する場合も同様の選択肢を選びます。
また拡縮する必要が無い場合は「パーティションの正確なオフセットと長さ」を選択します。

復元操作画面

ソースから格納先へコピーするパーティションが設定されました。

復元操作画面 Windowsパーティション抜粋

Windowsパーティションの容量が拡張されていることを確認します。
上段:ソース 237.82GB
下段:格納先 930.86GB

その他の3つのパーティションの容量には変化は無くて問題ありません。

「次へ」をクリック。

リストアの概要

復元設定の最終確認画面です。次の画面に進むことで復元先ディスクへの書き込みが開始されます。
問題が無ければ「終了」をクリック。
(復元操作を終了する意味ではありません)

復元先ディスクへの書き込み開始

進捗画面

完了するまで待ちます。

復元完了ダイアログ

復元が完了しました。
「OK」をクリック。

進捗画面 100%時の画面

復元にかかった時間は2時間42分33秒でした。

エラーが無いかを確認して「閉じる」をクリック。

これでMacrium Reflect 8 Freeでのイメージファイル復元作業は完了しました。

エクスプローラー

復元先ディスクにドライブ文字が「E」として割り当てられました。

最終的には復元先のディスクでWindowsが起動できることを確認できたら完了ですがここでは割愛します。
Windowsを起動するには、外付けケースからSSDを取り出し、PCマザーボードのM.2スロットへ内部接続します。WindowsはUSB接続の外付けディスクからは起動できないのでご注意ください。

この投稿で使用したPCパーツ

以上

内蔵SSD(M.2 SSD、2.5インチ SATA SSD)を検討する

M.2 PCIe Gen3x4 NVMe SSD

2023年時点で市販されている主なM.2 PCIe NVMe SSDのラインナップは、PCIeの世代によってPCIe Gen 3と、PCIe Gen 4の2つがあります。
PS5で使用するSSDはGen4x4への対応が必須です。

同世代でも低速、中速、高速モデルがあります。
Gen 3のなかでも低速モデルはシーケンシャル読み取りと書き込みは1000MB/s前後ですが、それでも2.5インチSATA3.0 SSDの最大速度600MB/sよりも高速です。
高速モデルは規格上の最大速度に近づく分、熱暴走を防ぐための放熱対策が重要になります。ヒートシンク取り付けの際は、PC内にヒートシンクが干渉しないスペースがあることを確認することが必要です。



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M.2 PCIe Gen4x4 NVMe SSD

PCIe Gen 3の後継であるPCIe Gen 4は、データ転送速度が最大で2倍に向上しました。2023年3月時点で最速の世代です。
PCIeには下位互換があるので上限がGen 3のPCでも、Gen 4のSSDを使えます。その場合の最大速度はGen 3に制限されます。



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PS5向けのM.2 SSD用ヒートシンク

2.5インチ SATA SSD

ノートPCの数世代前の2.5インチSATA HDDをSSDに交換するだけで大幅な速度向上と静音化を実感できます。
2023年時点で120GBが1000円台、256GBが2000円台です。



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USB接続 M.2 SSDケースを検討する

対応転送速度別に紹介します。
M.2 SSDのケース選びの際は、M.2 NVMeとM.2 SATAのどちらに対応しているかを確認しましょう。

10Gbps (USB 3.2 Gen 2、3.1 Gen 2)

発売日 2022年1月上旬


M.2 NVMe/M.2 SATA SSD両対応
10Gbps (USB 3.2 Gen 2、3.1 Gen 2)
カバーが無いので厚めのヒートシンクを取り付けたM.2 SSDを組み込めます。

発売日 2022年1月上旬


M.2 NVMe/M.2 SATA SSD両対応
10Gbps (USB 3.2 Gen 2、3.1 Gen 2)

発売日 2021年4月頃


M.2 NVMe/M.2 SATA SSD両対応
10Gbps (USB 3.2 Gen 2、3.1 Gen 2)
Inateckとはドイツで設立された、コンピュータ周辺機器の設計、製造および販売をおこなう企業です。


M.2 NVMe SSD専用
10Gbps (USB 3.2 Gen 2、3.1 Gen 2)


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20Gbps (USB 3.2 Gen 2x2、USB4 Gen 3x1)

発売日 2021年3月


M.2 NVMe SSD専用
20Gbps (USB 3.2 Gen 2x2)


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40Gbps (USB4 Gen 3x2、Thunderbolt 3 or 4)


M.2 NVMe SSD専用
40Gbps


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USB接続 2.5インチSATA SSD/HDDケースを検討する

2.5インチSSD/HDDケース選びでは、ケースの対応厚に気をつけましょう。
2022年現在、2.5インチSSDの厚さの主流は7mmですが、2.5インチHDDでは7mmの他に9.5mm、15mmが存在します。
HDDは容量が増えるとディスク枚数が増すためです。

最大15mm厚対応 2.5インチSATA SSD/HDD用

最大12.5mm厚対応 2.5インチSATAを3.5インチSATAに変換するアダプタ

最大9.5mm厚対応 2.5インチSATA SSD/HDD用



USB接続 3.5インチのSATA HDDケースを検討する

USB接続の3.5インチのSATA HDDケース選びでは、対応している最大容量に注意しましょう。
古いHDDケースやSATA-USB変換アダプタでは最大2TBまでしか容量を認識できない場合があります。

最大認識容量20TB

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参考 今回の投稿と関連の高い情報

Restoring a System image from Windows(Macrium SoftwareのWebサイト)

Modifying restore destination partition properties(Macrium SoftwareのWebサイト)

Creating a backup image of your computer, drive or partitions(Macrium SoftwareのWebサイト)

Windows Partitions(Macrium SoftwareのWebサイト)

UEFI/GPT ベースのハード ドライブ パーティション パーティションのレイアウト(MicrosoftのWebサイト)

BIOS/MBR ベースのハード ドライブ パーティション(MicrosoftのWebサイト)

参考

Macrium Reflect 8 基本事項

Macrium Reflect Free(Macrium SoftwareのWebサイト)

Macrium Reflect Feature Comparison Chart(Macrium SoftwareのWebサイト)
各エディションの機能比較表です。

Macrium Reflect v8.0 User Guide(Macrium SoftwareのWebサイト)

Macrium Reflect 8.0 Creating rescue media(Macrium SoftwareのWebサイト)

Macrium Reflect 8.0の新機能(Macrium SoftwareのWebサイト)

Reflectが日本語で利用可能になりました。2021年9月7日(Macrium SoftwareのWebサイト)

Macrium Software(Macrium SoftwareのWebサイト)

パーティション、Windows PE、Windows REに関する情報

UEFI/GPT ベースのハード ドライブ パーティション パーティションのレイアウト(MicrosoftのWebサイト)

BIOS/MBR ベースのハード ドライブ パーティション(MicrosoftのWebサイト)

Windows 回復環境 (Windows RE) の概要(MicrosoftのWebサイト)

Windows PE (WinPE)の概要(MicrosoftのWebサイト)

PARAGON Partition Manager Community Edition(Paragon Software GroupのWebサイト)
既存環境のパーティションのサイズ変更や削除に最適な無料ツールです。

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