目次
- 1 目次
- 2 概要
- 3 SDカードでアプリを正常に作動させるならA1対応SDカードが最適
- 4 アプリケーションパフォーマンスクラス(A1やA2)とは
- 5 A1非対応のSDカードで発生する主な症状
- 6 SDカードの内部ストレージ化とは
- 7 検証環境
- 8 実際にA1対応と非対応のSDカードを内部ストレージ化した際の挙動の違い
- 9 A1非対応のSDカードを内部ストレージ化する時に表示される警告画面(Moto G7)
- 10 スマホアプリ利用に最適なA1、A2規格microSDカード ピックアップ
- 11 スマホSDカードの内部ストレージ化に関する投稿一覧
- 12 アプリに最適アプリケーションパフォーマンスクラス(A1、A2)対応SDカードに関する投稿一覧
- 13 参考 アプリケーションパフォーマンスクラス SDアソシエーションのWebサイト
- 14 参考 SDアソシエーションのWebサイト
概要
この投稿では、Android 9のスマートフォンMoto G7にて、アプリ利用に最適な新規格「アプリケーションパフォーマンスクラス(A1、A2)」対応と非対応のSDカードを内部ストレージ化した際の挙動の違いと、A1非対応のSDカードを内部ストレージ化する時に表示される警告画面を紹介します。
[関連] Androidスマホmoto g7でA1 SDカードを内部ストレージ化する手順
SDカードでアプリを正常に作動させるならA1対応SDカードが最適
Androidスマホで内部ストレージ化したSDカードにインストールしたアプリを正常に作動させるには、2016年に公開された新規格A1(またはA2)に対応したSDカードを使うことをおすすめします。
筆者の環境ではA1非対応のSDカードにインストールしたアプリの起動や動作速度が使用に耐えないほど遅くなったり、アプリが消えるなどの症状が発生しました。その後A1対応にすることで症状が改善されました。
注意点
- メーカーが内部ストレージ化の機能を利用不可にしている場合は、A1対応SDカードでも内部ストレージ化はできません。
- 動作速度は端末内蔵ストレージ(内部共有ストレージ)の方が速いです。
- SDカードの動作速度は端末の性能に依存します。SDカードのスペックのフルに発揮できるかどうかは端末次第です。
A1規格に対応したSDカードには「A1」と刻印されています。
A1規格microSDの一例です。この他の種類は後半で紹介します。
発売日 2022年6月
スマートフォンやパソコンでのデータ保存はもちろん、ドライブレコーダーでの録画やNintendo Switchの容量拡張にもおすすめです。
また、本商品はアプリケーションパフォーマンスクラス1にも対応。
スマートフォンやタブレットでアプリを使用する際にもサクサク快適な動作を可能にします。(最大転送速度 100MB/s)
アプリケーションパフォーマンスクラス(A1やA2)とは
- SDカードでアプリケーションによるデータ編集・更新を快適に利用するための規格です。地図、写真、動画、音楽の保存においても改善を享受できます。
- 2016年に「SD仕様 5.1」で公開された仕様です。
- 「A」とは「アプリケーションパフォーマンスクラス(Application Performance Class)」を意味します。
- A2はA1よりもパフォーマンスを向上させた規格です。
アプリケーションパフォーマンスクラス仕様一覧
アプリケーション パフォーマンス クラス |
ランダムリード 最低処理速度 |
ランダムライト 最低処理速度 |
シーケンシャル 最低処理速度 |
---|---|---|---|
クラス1(A1) | 1500 IOPS | 500 IOPS | 10MBytes/sec |
クラス2(A2) | 4000 IOPS | 2000 IOPS | 10MBytes/sec |
A1非対応のSDカードで発生する主な症状
内部ストレージ化をする際に警告が表示される場合がある
- 「SDカードのパフォーマンス低下」や「このSDカードは速度が遅いようです」などの警告が表示される。
- 機種によっては「内部ストレージ化」の選択肢が表示されないことがある。
アプリの動作に関して
- アプリの起動や動作が遅くなる。
- アプリが起動しなくなる。
- インストールしたアプリが消える。
補足
- スピードクラス、UHSスピードクラス、ビデオクラスが最速のものを選んでも、A1規格に対応していなければ上記の症状が発生します。
- A1規格に対応しているにも関わらず上記の症状が出た場合はA2規格を選びます。
- それでも動作が安定しない場合は機種またはSDカードの不具合、機種のスペック不足、相性問題が考えられます。
SDカードの内部ストレージ化とは
- 端末ストレージ(内部共有ストレージ)を拡張する機能です。
- SDカードを内部ストレージ化することでアプリをSDカードにインストールすることができます。
- Android 6から標準設定でSDカードを内部ストレージ化する機能が備わりました。
- パソコンに繋げてadbコマンドを使わなくても標準設定から内部ストレージ化を実行できるようになりました)
- OSが内部ストレージ化に対応していてもメーカーが内部ストレージ化の機能を利用不可にしていることがあります。
その場合は、A1 SDカードを使っても内部ストレージ化機能は有効にはなりません。
検証環境
スマートフォン機種 Moto G7
- OS Android 9
A1対応 microSDカード
A1非対応 microSDカード
実際にA1対応と非対応のSDカードを内部ストレージ化した際の挙動の違い
UHS-I Class10という条件が同じで、A1対応とA1非対応のLexar製SDカードで内部ストレージ化の挙動の違いを試しました。
A1対応の場合
- 問題無く内部ストレージ化完了。
- アプリのインストール、動作にも支障なし。
※動作速度に関しては、端末内蔵ストレージ(内部共有ストレージ)の方が速いです。
アプリによっては内部ストレージ化したSDカードにインストールできないものもあります。その場合、本体側のストレージにインストールされます。
A1非対応の場合
- 内部ストレージ化にする際に「SDカードのパフォーマンス低下」と警告される。
Moto G7では強制的に内部ストレージ化できます。
強制的に内部ストレージ化ができる機種もあれば、できない機種もあります。 - インストールしたアプリは動作が異常に遅くなり実用的ではなくなりました。
別の端末(moto e5)で試したところ使っていくうちにアプリが起動できなくなりました。
A1非対応のSDカードを内部ストレージ化する時に表示される警告画面(Moto G7)
端末の設定 -> ストレージ
↓
このSDカードの使用目的
未フォーマットのSDカードの場合に表示されます。
内部ストレージ化するので「スマートフォンのストレージ」をタップする。
すでにSDカードを外部ストレージとしてフォーマット済みだった場合は次の画面です。
「内部ストレージとしてフォーマット」をタップする。
↓
「SDカードをフォーマット」をタップしてフォーマットを開始する。
↓
警告内容
「このSDカードは引き続き利用できますが、パフォーマンスが低下する可能性があります。
このSDカードに保存されているアプリが正しく動作しなかったり、コンテンツの転送に時間がかかったりすることがあります。
より高速のSDカードを利用するか、このSDカードを外部ストレージとしてご利用ください。」と警告画面がでます。
このようにA1非対応SDカードだと上記の画面が表示されます。A1対応SDカードだと表示されません。
↓
実際にそのとおりで、A1非対応SDカード上でアプリを利用しても実用に耐える動作速度ではありませんでした。
以上
スマホアプリ利用に最適なA1、A2規格microSDカード ピックアップ
A1規格microSDカード
Patriot Memory製
Patriot Memoryは1985年に設立されアメリカ カリフォルニア州に本社を置くメーカーです。
読取速度 最大100MB/秒
Amazonでの販売元は「Patriot Memory」です(過去2020年時点では「Gadget Lifestyle Japan」でした)。
容量違い(容量 型番)
[関連投稿]
サンディスク製
サンディスクは1988年に設立されアメリカ カリフォルニア州に本社を置くメーカーです。
読取速度 最大120MB/秒
シリコンパワー製
シリコンパワーは2003年に設立され台湾に本社を置くメーカーです。
読取速度 最大100MB/s
書込速度 最大80MB/s
Transcend製
Transcendは1988年に設立され台湾に本社を置くメーカーです。
読取速度 最大100MB/s
Kingston製
Kingstonは1987年に設立されアメリカ カリフォルニア州に本社を置くメーカーです。
[容量256GB~512GBの性能]
読取速度 最大100MB/秒
書込速度 最大85MB/秒
A2規格microSDカード
A1よりもランダムリード/ライトのIOPS性能が向上しています
IOPSとは1秒間に何回のデータ書き込み/読み出しが可能かを表す指標です。
Samsung製
転送速度 最大130MB/秒
読取速度 最大160MB/秒
書込速度 最大120MB/秒
シリコンパワー製
読取速度 最大 100MB/s
書込速度 最大 80MB/s
[関連投稿]
サンディスク製
読取速度 最大 190MB/秒
書込速度 最大 130MB/秒
Kingston製
読取速度 最大170MB/s
書込速度 最大90MB/s
Transcend製
医療機器、監視システム、POS端末などの書込み頻度が高いアプリケーションでの利用。より高い信頼性が求められる産業機器にお勧め。
LDPC ECC機能
Early Move
S.M.A.R.T.機能に対応し、ストレージデバイスの状態を監視/分析/報告
ウェアレベリング
読取速度 最大 100 MB/s
書込速度 最大 80 MB/s
TBW [総書込み容量] 最大 1343 TBW
ドライブレコーダー対応のA1規格microSDカード
発売日 2022年6月
スマートフォンやパソコンでのデータ保存はもちろん、ドライブレコーダーでの録画やNintendo Switchの容量拡張にもおすすめです。
また、本商品はアプリケーションパフォーマンスクラス1にも対応。
スマートフォンやタブレットでアプリを使用する際にもサクサク快適な動作を可能にします。(最大転送速度 100MB/s)
発売日 2020年12月
ドライブレコーダー対応
スマホSDカードの内部ストレージ化に関する投稿一覧
アプリに最適アプリケーションパフォーマンスクラス(A1、A2)対応SDカードに関する投稿一覧
参考 アプリケーションパフォーマンスクラス SDアソシエーションのWebサイト
アプリケーションパフォーマンスクラス(A1、A2)の解説
- Application Performance Class(英語サイト)
- アプリケーションパフォーマンスクラス(日本語サイト)