インテルGPU搭載Windows 11 PCで画面結合するためのIGCCとIGS紹介。ETS2、Assetto Corsaでの3画面表示に必須【2024年5月版】

目次

概要

この投稿では、インテルGPU搭載のWindows 11 PCにて、複数接続したモニターの画面結合(combine display)をおこなうためのアプリケーション、IGCCIGSを紹介します。

使用するアプリケーションバージョン、PC環境は2025年05月時点の内容です。

はじめに

2025年05月時点で、インテルGPUを搭載したWindows 11 PCに接続した複数モニターの画面結合をおこなうには、無料アプリケーションであるIGCCまたはIGSの画面結合機能を使う必要があります。

IGCCとIGSは次のアプリケーション名の略称です。

  1. IGCC Intel Graphics Command Center
  2. IGS Intel Graphics Software

IGCCとIGSはインテルGPU専用のWindowsアプリケーションですので、NVIDIA GPUとAMD GPUでは動作しません。

NVIDIA GPUで画面結合するにはNVIDIAコントロールパネルアプリケーションの「Surround」、AMD GPUで画面結合するには「AMD Software: Adrenalin Editionアプリケーション(旧称 AMD Radeon Software)」の「AMD Eyefinity」を使います。

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画面結合はどんな時に使うのか?

Windows 11の設定の「ディスプレイ設定」では画面の結合は設定できませんが、似た機能の拡張を設定できます。

結合と拡張はいずれも複数台のモニターを使ってデスクトップを広く表示することができるという点では同じ機能です。

筆者は普段、オフィスアプリやWebブラウザーなどのアプリを使う時は拡張を使っていますが、特定の用途では結合に切替えています。

結合を使う特定の用途は、Steamゲームのトラック運転シミュレーター「Euro Truck Simulator 2(ETS2)」を2画面または3画面、ドライビングシミュレーターの「Assetto Corsa」を3画面でプレイする時です。

3画面で表示したAssetto Corsaのドライバー視点

それらのゲームで画面を複数モニターに表示するには拡張ではなく結合が必要となります。

上の写真のモニターは次の3種類です。

  • 27インチQHD(解像度2560x1440)、機種 Dell S2725DS(発売2024年)
  • 27インチQHD(解像度2560x1440)、機種 Dell U2713HM(発売2012年)
  • 24インチWUXGA(解像度1920x1200)、機種 Dell U2412M(発売2011年)

発売日 2024年3月21日




Dell直販


QHD 2560x1440、27インチ、IPS
[映像入力] 2x HDMI2.0(HDCP 1.4)、1x DP1.2(HDCP1.4)
[スタンド機能] 縦回転、高さ、左右回転、前後傾き
[他] VESA100mm、スピーカー

PC環境の詳細は「SUGO16 パーツ組込み後のケース内部レビューと組立てに便利な道具紹介。Ryzen 5 5600G、Intel Arc A750で12万円の静音小型ゲーミングPC自作【2024年1月版】 」をご覧ください。

IGCCとIGSのどちらの画面結合機能を使ったらよいのか?

ドライビングシミュレーターを3画面でプレイするという目的が達成できたのはIGCCだったので、現状はIGCCを使っています。

筆者のPCとモニター環境においてですが、IGCCとIGSの画面結合機能には次の違いがありました。

IGCCの画面結合

  • 異なる解像度のモニター同士を結合できる。
  • モニターの10年以上前(2011年発売)のモニターを含むと、結合する順番によっては結合ができなかったり、結合できても本来の解像度よりも低い解像度しか設定できない。

IGSの画面結合

  • 結合できるのは同じ解像度のモニター同士のみ。
  • モニターの切断、有効化、結合後の解像度変更などはWindows 11の設定のディスプレイ設定での操作が必要。

IGCCはレガシーユーザーインターフェース(Legacy User Interface)扱いで、IGCCの機能は今後IGSに統合するからなのでしょうか、IGSインストール時にIGCCをアンインストールするオプションが表示されます。

画面の結合と拡張の違い

画面の結合と拡張の違いをIGCC設定画面を交えて簡単に説明します。

結合

機能概要

  • 複数のモニターの画面を結合し、内部的に一つの画面(1つの大きな解像度)として扱う。
  • 異なる解像度のモニター(例えばQHDとフルHD)で結合した場合は低い解像度が基準になる。
  • 画面は水平方向または垂直方向のいずれかに結合できる。
  • 画面の向きは横向きで結合される。縦回転の状態で結合しても横向きになる。
  • ウィンドウを最大化すると、複数のモニターにまたがって最大化される。

【IGCCのディスプレイ設定画面】3台のモニターの画面を結合した状態

IGCCで3台のモニターの画面を、横方向に結合した状態です。

3つの画面が内部的に一つの画面(1つの大きな解像度)になりました。

接続した3台のモニター(異なる解像度の組合わせです)

  • 27インチQHD(解像度2560x1440)、アスペクト比16:9、機種 Dell S2725DS(発売2024年)
  • 27インチQHD(解像度2560x1440)、アスペクト比16:9、機種 Dell U2713HM(発売2012年)
  • 24インチFHD(解像度1920x1080)、アスペクト比16:9、機種 Dell S2425HS(発売2024年)

異なる解像度の画面を結合した場合、1画面あたりの解像度は一番低い解像度(この場合FHD)に統一されて結合されます。

よって結合後の解像度はFHDの3倍横5760(=1920x3)、縦1080となります。アスペクト比 48:9です。

拡張

機能概要

  • それぞれのモニターを独立したデスクトップ画面として利用できる。
  • 異なる解像度のモニター(例えばQHDとフルHD)は、それぞれの解像度で使用できる。
  • ウィンドウを最大化すると、1つのモニター内で最大化される。
  • ウィンドウを複数のモニターにまたがって表示させるには、アプリのウィンドウの四隅をマウスでドラッグするなどして広げる。

【IGCCのディスプレイ設定画面】3台のモニターの画面を拡張した状態

上の写真はIGCCのディスプレイ設定画面です。
Windows PCに接続した3台のモニターを拡張表示している状態です。

Windows 11、IGCC、IGSのディスプレイ設定の機能比較と設定画面の見た目

↓設定項目 Windows 11 IGCC IGS
画面の有効・無効化 y y n
拡張 y y n
複製 y y n
結合 n y y
回転 y y n
解像度変更 y y n
カスタム解像度 n y n
Windows 11、IGCC、IGSのディスプレイ設定の機能比較表

y:設定できる
n:設定できない

それぞれのディスプレイ設定では、この他にも設定できる項目があります。
ここでは基本的な項目に絞って紹介しています。

IGCCはWindows 11のディスプレイ設定の機能を網羅しています。
IGSで出来ることは結合のみです。

Windows 11のディスプレイ設定画面の見た目

Windows 11 Pro 24H2のディスプレイ設定画面

Windows 11のディスプレイ設定ではデスクトップの複製、拡張、切断ができます。
画面結合はできません。

IGCCのディスプレイ設定画面の見た目

IGCCのディスプレイ設定画面

IGCCでは画面結合(Combine Displays)がおこなえます。

それ以外の画面設定もIGCC内で完結して操作できます。

IGSのディスプレイ設定画面の見た目

IGSのディスプレイ設定画面

IGSで画面結合はできますが、それ以外の画面設定はWindows 11のディスプレイ設定でおこなう必要があります。

IGCC ダウンロード方法

「Intel Graphics Command Center」はマイクロソフトストアからダウンロードします。

ダウンロード可能なバージョンはBetaと通常版の2つあり、両方とも画面結合ができるのは同じですが、大きな違いはBeta版にはカスタム解像度追加機能があることです。

Intel Graphics Command Center Beta版(マイクロソフトのWebサイト)

  • バージョン 1.100.1300.0
  • リリース日 2019/8/14

Intel Graphics Command Center(マイクロソフトのWebサイト)

  • バージョン 1.100.5688.0
  • リリース日 2018/11/27

IGS ダウンロード方法

Intel Graphics Softwareは、インテルグラフィックスドライバーが含まれたドライバーパッケージという形で提供されています。
ですのでIntel Graphics Softwareのインストールファイルだけをダウンロードすることができません。

ここではドライバーパッケージファイルのダウンロードページと、内容物(インストールされるファイル)も合わせて紹介します。

インテル Arc & Iris Xe Graphics ドライバーパッケージダウンロードページ(インテルのWebサイト)

ダウンロードファイル名と容量

  • ファイル名 gfx_win_101.6739.exe
  • サイズ   871.6 MB

Intel Graphics Driver

  • バージョン 32.0.101.6739
  • リリース日 2025/4/25

Intel Graphics Software

  • バージョン 25.10.1253.2

ドライバーパッケージの内容物(インストールされるファイル)

  • Intel® Graphics Driver
  • Intel® Media SDK Runtime (21.0.1.35)
  • Intel® oneVPL GPU Runtime (21.0.2.14)
  • Intel® Graphics Compute Runtime for OpenCL* Driver
  • Vulkan*3 Runtime Installer
  • Intel® Arc™ Software & Drivers Installer/Uninstaller (1.0.1013.20)
  • oneAPI Level Zero Loader and Validation Layer
  • Intel® Graphics Compute Runtime for OneAPI Level Zero specification
  • Intel® Graphics Software installer (25.10.1253.2)
  • Intel® Driver Support Assistant

内容物の確認は同ページ内のRelease Notes (PDFファイル)に記載されています。

推奨環境

  • Windows 11 Family、Windows 10 (22H2)

対応グラフィックス

  • Intel Iris Xe 専用グラフィックス ファミリー
  • Intel Arc グラフィックス ファミリー
  • 第 11 世代 Intel Core プロセッサー ファミリー
  • 第 12 世代 Intel Core プロセッサー ファミリー
  • 第 13 世代 Intel Core プロセッサー ファミリー
  • 第 14 世代 Intel Core プロセッサー ファミリー

以上

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デスクへの設置方法に注意
デスクへの設置方法は主に「下から締めるクランプ式」、「上から締めるクランプ式」、「グロメット式」の3種類があります。

下から締めるクランプ式には、クランプを締めるボルトに手回しハンドルが付いているものと、六角レンチで締めるものがあります。
デスク裏面にボルトが突出するので、デスク裏面の構造によってはボルトやハンドルが干渉する場合があるので注意が必要です。

上から締めるクランプ式は、デスク裏面にボルトが突出しないので、ボルトが干渉して設置できなかったデスクにも設置できる可能性が高まります。

耐荷重に注意
モニターアームには耐荷重があります。上下に動くアームの場合、耐荷重範囲外のモニターを取り付けると任意の位置で保持することができません。モニターのスタンドを除くパネル部分の重量を確認し、耐荷重範囲内であることを確認しましょう。

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クランプを締めるボルトにハンドルが無いため、ハンドルが干渉して設置できなかったデスクへ設置できる可能性が高まります。


[荷重範囲] 2kgから9kg。

上から締めるコンパクトなクランプ。クランプを締めるボルトにハンドルが無いため、ハンドルが干渉して設置できなかったデスクへ設置できる可能性が高まります。


[荷重範囲] 1kgから9kg。

ハンドル付きボルトでクランプを締めるタイプ。


[荷重範囲] 2kgから7kg。

ハンドル付きボルトでクランプを締めるタイプ。


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