ETS2でマルチモニター右側を縦表示する方法。右ハンドル車の右側の視界を縦に広くする【2025年5月版】

目次

概要

この投稿では、Euro Truck Simulator 2(ETS2)で、マルチモニター構成時の右モニターの表示を90度縦回転させる設定方法を紹介します。

2025年05月時点の情報です。

ETS2のバージョン

バージョン 1.54.1.0.s(64-bit)

はじめに

設定値に関して

ここで紹介する設定値は、筆者が目視で調節しながら決定した値ですので正確性に欠けます。
数式を用いて厳密に算出したものではありません。

またパラメーターの使い方が本来の用途とは異なっている可能性もありますのでご了承ください。

前提完了条件

この投稿は、次の投稿の差分設定となります。

中央モニターに運転席、右モニターに右ハンドル車の右側の視界を確保した2画面表示、または3画面表示の設定が完了していることが必要です。

必要な前提知識は、上記投稿をご覧ください。

右ハンドル車の右モニターを縦向き表示にする効果

右ハンドル車の右モニターを縦向き表示にして、右モニターから見える右窓の視界が縦方向に広くなります。

それにより次の効果が生まれます。

  1. 視点移動しなくても、右サイドアンダーミラーが全部見えるようになる。
  2. 右ドア窓から見える低い位置の視界を確保できる。

横向きの右モニターの視界

上記は横向きの右モニターの視界です。

横向きの画面では、右窓から見える景色は画面の3/4ほどで、1/4は室内の壁で隠れています。
右サイドアンダーミラーの下半分が見えません。

縦向きの右モニターの視界

右モニターを縦回転させ、それに合わせてゲーム内の画像を回転させた状態の視界です。

右窓から見える景色は1/2に減りましたが、右サイドアンダーミラーが全部見えるようになりました。
路側帯も見えるようになりました。

モニターアームに取付けた右モニターの背面

右モニターはモニターアームに取付けています。

位置の調整がしやすくなります。

使用車種とステアリング

車種 MAN TGX GX
ステアリング 右ハンドル(right hand drive、RHD)

使用したモニター、PC環境

モニター

機種名 U2713HM S2425HS
実際の配置
メーカー Dell Dell
発売年 2012年 2024年
表示サイズ
(対角線)[インチ]
27 24
解像度(通称) QHD FHD
解像度(横x縦)[
ピクセル]
2560x1440 1920x1080
アスペクト比 16:9 16:9
有効表示領域
W[mm]
596.7 527.04
有効表示領域
H[mm]
335.7 296.46
フレーム外寸
W[mm]
639.3 537.64
フレーム外寸
H[mm]
378.2 313.73
境界線の幅
W[mm] 上右下左
21.5 21.5 21.5 21.5 5 5 12 5
目に見えている液晶パネルの余白
W[mm] 上右下左
1 1 1 1 4 4 2 4
フレームベゼル
W[mm] 上右下左
20.5 20.5 20.5 20.5 1 1 10 1

上記表の用語 補足

  • フレーム外寸(Frame outer) ・・・ 液晶画面の周囲を保護するフレーム。
  • 有効表示領域(LCD Active Area) ・・・ 液晶パネルのうち画像が表示される領域、アクティブエリア。
  • 目に見えている液晶パネルの余白(Visible Panel Margin) ・・・ フレームで隠されずに目に見えている液晶パネルの余白。
  • フレームベゼル(Frame Bezel) ・・・ 液晶パネルの周囲を保護するフレームとしてのベゼル。
  • 境界線の幅(Border width) ・・・ モニターの端からアクティブエリアまでの幅。

グラフィックスカード Sparkle SA750C-8GOC Intel Arc A750 ORC OC Edition

  • 購入年月 2024年1月
  • GPU Inte Arc A750
  • 映像出力ポート HDMI2.0b x1(4096 x 2160@60Hz)、DisplayPort2.0 x3(7680×4320@60Hz)。最大4画面 同時出力。

グラフィックスドライバー

  • Intel Graphics Driver
  • バージョン 32.0.101.6739
  • リリース日 2025/4/25

OS Windows 11 Pro

  • バージョン 24H2
  • OSビルド 26100.3915

CPU AMD Ryzen 5 5600G GPU内蔵

PCの詳細は「SUGO16 パーツ組込み後のケース内部レビューと組立てに便利な道具紹介。Ryzen 5 5600G、Intel Arc A750で12万円の静音小型ゲーミングPC自作【2024年1月版】 」をご覧ください。

FOVとシート位置

FOVとシート位置は次の状態にしたうえで、コンフィグファイルで縦回転表示のためのパラメータを調節しました。

運転席のFOVは65度

FOVは65度です。
GUIのシート調節画面で調節しました。

シートポジションの位置

シートポジションの位置です。
GUIのシート調節画面で調節しました。

編集するETS2設定ファイルの場所

Windows 11の場合

  1. multimon_config.sii
    • 場所 "C:\Users\<your_user_name>\Documents\Euro Truck Simulator 2\multimon_config.sii"
    • マルチモニターモードをカスタマイズモード(r_multimon_mode値を4)にした時に読み込まれるマルチモニターコンフィグファイル。
    • r_multimon_modeの値が0から3の時には読み込まれない。
    • 左、中、右モニターのFOV(視野角)、ベゼル補正などを様々な設定できる。

<your_user_name>は自分のユーザーフォルダ名に置き換えます。

編集前と編集後には設定ファイルをバックアップすることをおすすめします。

config.cfgmultimon_config.siiファイルはメモ帳アプリなどのテキストエディターで編集します。

multimon_config.siiに関しては、開発コンソールでmultimonコマンドを使ってオンザフライで編集をおこなうこともできます。

【STEP 0】ゲームを終了しておく

テキストエディターでconfig.cfgmultimon_config.siiを編集する場合は、ゲームを終了した状態にしておきます。

【STEP 1】画像を回転させるにはroll_offsetを変更する

ゲーム内の画像を回転させるにはroll_offsetの値(度単位)を変更します。

roll_offsetの値と回転方向

回転方向
0 初期値。回転無し。
90 右に90度回転
180 右に180度回転(逆さま)
270または-90 右に270度回転(左に90度回転)

モニターの回転の向きと、ゲーム内の画像の天地をに合わせるには次の値をセットします。

モニターの回転の向き roll_offsetの値
左に90度回転 90
右に90度回転 270

右モニター本体のみを左に90度回転させた状態

上記写真は、右モニター本体のみを左に90度回転させた状態で、ゲーム内の画像はまだ回転させていません。

モニター内の画像の天地をモニターに合わせるために、ここでは右モニターの設定内でroll_offsetの値に90をセットします。

編集前
他のパラメータの表記は省略しています。

# 右モニターの設定
monitor_config : _nameless.r.S2425HS {
 name: right

 roll_offset: 0.000000  # 表示の回転(度単位)

}

編集後

# 右モニターの設定
monitor_config : _nameless.r.S2425HS {
 name: right

 roll_offset: 90.00000  # 表示の回転(度単位)
}

編集後、ファイルを保存しゲームを起動します。

右モニターのゲーム内の画像を右に90度回転させた状態

モニター内の画像の天地が右モニターと一致しました。

回転により右モニターの視点が変わって右サイドミラーが見えなくっているので、次の工程で上下左右位置を調節します。

【STEP 2】右モニターの設定で表示サイズ、上下位置、左右位置(ベゼル補正)を調節する

変更したパラメータは次の4つです。

  • heading_offset
  • pitch_offset
  • frustum_subrect_width
  • frustum_subrect_height

編集後
他のパラメータの表記は省略しています。

# 右モニターの設定
monitor_config : _nameless.r.S2425HS {
 name: right

 heading_offset: 33.099998  # ベゼル補正(度単位)
 pitch_offset: 7.500000 # 表示の上下調節(度単位)
 frustum_subrect_width: 0.715000    # 横の表示比率を変更する
 frustum_subrect_height: 0.600000   # 縦の表示比率を変更する

}

編集後、ファイルを保存しゲームを起動します。

【完成形】multimon_config.sii

中央に27インチQHD、右に縦回転した24インチFHDモニターで2画面表示した状態

中央モニターは右ハンドル車の運転席の視界です。
右サイドミラーが右モニターに位置するようにシート位置を調節してあります。

縦回転させた右モニターには、中央モニター右側の視界(右サイドミラーと右窓からみえる外の景色)が表示されています。

SiiNunit
{
# モニター数とUIの位置を設定
multimon_config : _nameless.dual.c.r {
 normalized_ui_x: 0.000000  # ドライバーによって作成された仮想ディスプレイ内の UI の左下隅の位置。
 normalized_ui_width: 0.500000  # ドライバーによって作成された仮想ディスプレイ内の UI の幅。
 monitors: 2    # モニター数を設定する
 monitors[0]: _nameless.c.U2713HM
 monitors[1]: _nameless.r.S2425HS
}

# 中央モニターの設定
monitor_config : _nameless.c.U2713HM {
 name: center
 normalized_x: 0.000000 # ドライバーによって作成された仮想ディスプレイ内のモニターの左下隅の位置。
 normalized_y: 0.000000
 normalized_width: 0.500000 # ドライバーによって作成された仮想ディスプレイ内のモニターのビューの寸法。
 normalized_height: 1.000000
 horizontal_fov_relative_offset: 0.000000
 vertical_fov_relative_offset: 0.000000
 heading_offset: 0.000000
 pitch_offset: 0.000000
 roll_offset: 0.000000
 camera_space_offset: (0.000000, 0.000000, 0.000000)
 horizontal_fov_override: 0.000000  # 対応する視野角をオーバーライドします。
 vertical_fov_override: 0.000000    # ここを変えた
 frustum_subrect_x: 0.000000
 frustum_subrect_y: 0.000000
 frustum_subrect_width: 1.000000
 frustum_subrect_height: 1.000000
 render_interior: true
 render_exterior: true
}

# 右モニターの設定
monitor_config : _nameless.r.S2425HS {
 name: right
 normalized_x: 0.500000
 normalized_y: 0.000000
 normalized_width: 0.500000
 normalized_height: 1.000000
 horizontal_fov_relative_offset: -1.000000
 vertical_fov_relative_offset: 0.000000
 heading_offset: 33.099998  # ベゼル補正(度単位)
 pitch_offset: 7.500000 # 表示の上下調節(度単位)
 roll_offset: 90.000000 # 表示の回転(度単位)
 camera_space_offset: (0.000000, 0.000000, 0.000000)
 horizontal_fov_override: 0.000000  # ここを変えた
 vertical_fov_override: 0.000000
 frustum_subrect_x: 0.000000
 frustum_subrect_y: 0.000000
 frustum_subrect_width: 0.715000    # 横の表示比率を変更する
 frustum_subrect_height: 0.600000   # 縦の表示比率を変更する
 render_interior: true
 render_exterior: true
}

}

【補足】multimonコマンドで編集する場合に実行するコマンド

開発コンソールでmultimonコマンドを使ってパラメータを編集する場合は、次のコマンドを入力します。

multimon set right roll_offset 90
multimon set right heading_offset 33.099998
multimon set right pitch_offset 7.500000
multimon set right frustum_subrect_width 0.715000
multimon set right frustum_subrect_height 0.600000

設定を保存するにはsaveを実行します。

注意点
開発コンソールでmultimon saveを実行すると、「_nameless.」の後ろの文字列を任意の文字列で名称変更していた場合はランダムな英数字が割り当てた名称に初期化されます。
コメント文の箇所は削除されます。

multimon save

今回の投稿で登場した製品

以上

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