ETS2で27型と24型で2画面表示する方法。中央右と左中央配置の2パターン【2025年5月版】

目次

  1. 目次
  2. 概要
  3. ETS2のバージョン
  4. はじめに
  5. ゴール
  6. 前提知識
  7. GUIで調節できる項目は運転席のチルト、FOV、パン、回転、シードポジション
  8. 使用車種とステアリング
  9. 使用したモニター、PC環境
  10. 現実世界での座る位置を決める
  11. ETS2でマルチモニター初期モードで動作確認する手順
  12. ETS2設定ファイルの場所
  13. 【STEP 0】ゲームを終了しておく
  14. 【STEP 1】config.cfgの変数 r_multimon_mode の値を4にして、マルチモニターモードをカスタマイズモードを有効にする
  15. 【STEP 1-2】[推奨] わずかに下向きになっている車内カメラの視点設定をオフにする
  16. 【STEP 1-3】[推奨] オンザフライで設定の編集と反映をおこなえるように開発者コンソールを有効にする
  17. 【STEP 2】【パターン1】中央に27インチ、右に24インチモニターを配置した2画面表示の設定
    1. multimon_config.siiの文の構造概要
    2. 【STEP 2-1】モニター数とUIの位置を変更する
    3. 【STEP 2-2】ゲーム内GUIのシート調節機能でFOVを調節できるようにする
    4. 【STEP 2-3】ベゼル補正するためにheading_offsetを変更する
    5. 【STEP 2-4】右モニターの画像を大きく表示するためにfrustum_subrect_widthとfrustum_subrect_heightを変更する
    6. 【任意】表示の上下を調節するにはpitch_offsetを変更する
    7. 【完成形】multimon_config.sii
  18. 【パターン2】左に27インチ、中央に27インチモニターを配置した2画面表示の設定
    1. 【完成形】multimon_config.sii
  19. 今回の投稿で登場した製品
  20. VESA100対応モニターアーム ピックアップ
    1. 上から締めるスリムクランプ式
    2. ハンドル無しボルトで机の下からクランプを締めるタイプ
    3. ハンドル付きボルトで机の下からクランプを締めるタイプ
  21. お手頃価格なFHD、QHDモニター ピックアップ
  22. Xinput対応コントローラー ピックアップ
  23. 2024年1月ゲーミングPC自作(Ryzen 5 5600G、Intel Arc A750)に関する投稿一覧

概要

この投稿では、Euro Truck Simulator 2(ETS2)で、27インチQHDと24インチFHDの異なるサイズのモニターを2台組合わせて、中央モニターに運転席を配置して2画面表示する方法を紹介します。

モニター配置は、中央右と左中央の2パターンです。

2025年05月時点の情報です。

ETS2のバージョン

バージョン 1.54.1.0.s(64-bit)

はじめに

ETS2ではコンフィグファイルを編集しなくても初期モードでマルチモニター表示ができます。

初期モードで2画面表示すると、2台のモニターのつなぎ目にハンドルが表示される視界になります。

運転席をメインモニター(中央モニター)に表示させるには、マルチモニターモードをカスタマイズモード(config.cfgr_multimon_mode "4")に変更し、マルチモニターコンフィグファイル(multimon_config.sii)で調節することで解決できます。

設定値に関して

ここで紹介する設定値は、筆者が目視で調節しながら決定した値ですので正確性に欠けます。
数式を用いて厳密に算出したものではありません。

またパラメーターの使い方が本来の用途とは異なっている可能性もありますのでご了承ください。

ゴール

次の要件で2画面表示を実現します。

  1. 中央モニターに運転席の視界を確保する。
    • 乗車するトラックのステアリングは右ハンドル(right hand drive、RHD)。
  2. 2台のモニターの配置は2パターン。
    • 【パターン1】 中央に27インチQHD、右に24インチFHDモニター。
      • 右モニターに右サイドミラーを表示し、右ドア窓の視界を確保する。
      • モニターのサイズの違いを補正する。
    • 【パターン2】 左に27インチQHD、中央に27インチQHDモニター。
      • 左モニターに運転席から見た助手席(乗客席)方向への視界を確保する(左ドア窓、左サイドミラー、フロントミラーが見えるようにする)。
  3. ゲーム内GUIのシート調節機能でFOVを調節できるようにする。
  4. ベゼル補正をする。

【パターン1】の完成後の表示。中央に27インチQHD、右に24インチFHDモニター

上記は【パターン1】の完成後の表示です。

車種は右ハンドル仕様にしたMAN TGX GXです。

右モニターに右サイドミラーを表示し、さらに右ドア窓の視界を確保しました。
運転席の左側の視界は、ゲーム内で視点を左に振ったり、左サイドミラーのバーチャルミラーで補います。

車種によってミラーの大きさと種類、フロントガラスの両側にあるAピラー(フロントピラー)などが異なります。
そのためサイドミラーが好みの位置にくるようにFOV、シートポジションで視界を調節しました。

運転席のFOVは65度

FOVは65度です。
GUIのシート調節画面で調節しました。

シートポジションの位置

シートポジションの位置です。
GUIのシート調節画面で調節しました。

【パターン2】の完成後の表示中央に27インチQHD、右に24インチFHDモニター

上記は【パターン2】の完成後の表示です。

左モニターに運転席から見た助手席(乗客席)方向への視界を確保(左ドア窓、左サイドミラー、フロントミラーが見えるように)しました。

運転席の右側の視界は、ゲーム内で視点を右に振ったり、右サイドミラーのバーチャルミラーで補います。

前提知識

この投稿の内容は、マルチモニター設定に関して記された次のSCS SoftwareのWebサイトのページを読んでいることを前提として説明しています。

  1. Multi-monitor support(SCS Software ETS2のWebサイト)
  2. SCS Software Modding Wiki(SCS Software Modding WikiのWebサイト)

SCS Software ETS2製品Webサイトには、ETS2でマルチモニター表示するための基本知識、設定項目が記載されています。
筆者は最初にざっくりと目を通し、あとは実際に試しながら必要な箇所に目を通しました。

しかしマルチモニター設定で重要なconfig.cfgファイルの存在と置き場所には触れられていませんので、「SCS Software Modding Wiki」で確認しました。

GUIで調節できる項目は運転席のチルト、FOV、パン、回転、シードポジション

ETS2 GUIのシート調節画面で調節できる項目

GUIのシート調節画面で調節できるのは次の項目。

運転席のチルト、FOV、パン、回転、シードポジション、ステアリングチルト、ステアリングテレスコープ

GUIでは調節できない項目をカスタマイズモードで調節します。

使用車種とステアリング

車種 MAN TGX GX
ステアリング 右ハンドル(right hand drive、RHD)

使用したモニター、PC環境

モニター

機種名 S2725DS U2713HM S2425HS
実際の配置
メーカー Dell Dell Dell
発売年 2024年 2012年 2024年
表示サイズ
(対角線)[インチ]
27 27 24
解像度(通称) QHD QHD FHD
解像度(横x縦)[
ピクセル]
2560x1440 2560x1440 1920x1080
アスペクト比 16:9 16:9 16:9
有効表示領域
W[mm]
596.74 596.7 527.04
有効表示領域
H[mm]
335.66 335.7 296.46
フレーム外寸
W[mm]
611.34 639.3 537.64
フレーム外寸
H[mm]
355.98 378.2 313.73
境界線の幅
W[mm] 上右下左
8 8 13 8 21.5 21.5 21.5 21.5 5 5 12 5
目に見えている液晶パネルの余白
W[mm] 上右下左
7 7 2 7 1 1 1 1 4 4 2 4
フレームベゼル
W[mm] 上右下左
1 1 11 1 20.5 20.5 20.5 20.5 1 1 10 1

上記表の用語 補足

  • フレーム外寸(Frame outer) ・・・ 液晶画面の周囲を保護するフレーム。
  • 有効表示領域(LCD Active Area) ・・・ 液晶パネルのうち画像が表示される領域、アクティブエリア。
  • 目に見えている液晶パネルの余白(Visible Panel Margin) ・・・ フレームで隠されずに目に見えている液晶パネルの余白。
  • フレームベゼル(Frame Bezel) ・・・ 液晶パネルの周囲を保護するフレームとしてのベゼル。
  • 境界線の幅(Border width) ・・・ モニターの端からアクティブエリアまでの幅。

グラフィックスカード Sparkle SA750C-8GOC Intel Arc A750 ORC OC Edition

  • 購入年月 2024年1月
  • GPU Inte Arc A750
  • 映像出力ポート HDMI2.0b x1(4096 x 2160@60Hz)、DisplayPort2.0 x3(7680×4320@60Hz)。最大4画面 同時出力。

グラフィックスドライバー

  • Intel Graphics Driver
  • バージョン 32.0.101.6739
  • リリース日 2025/4/25

OS Windows 11 Pro

  • バージョン 24H2
  • OSビルド 26100.3915

CPU AMD Ryzen 5 5600G GPU内蔵

PCの詳細は「SUGO16 パーツ組込み後のケース内部レビューと組立てに便利な道具紹介。Ryzen 5 5600G、Intel Arc A750で12万円の静音小型ゲーミングPC自作【2024年1月版】 」をご覧ください。

現実世界での座る位置を決める

設定をする前に、現実世界で自分が座るイスの位置、モニターとの距離、モニターの角度などの定位置を決めておきましょう。

視点とモニターとの距離、上下、左右の位置が変わると、モニター間の画像のつなぎ目や表示の大きさに想像以上の差が生じます。

定位置から首を右に振って見た右のモニター

定位置から首を右に振って見た右のモニターに映るサイドミラーの見え方です。

定位置より前に近づいて見た右のモニター

定位置より前に近づいて見た右のモニターです。
先ほどよりも右のサイドミラーの幅が広く見えます。

ETS2でマルチモニター初期モードで動作確認する手順

マルチモニターの初期モードであれば、コンフィグファイルを編集しなくてもマルチモニター表示ができます。

まずはこの初期モードで動作確認をし、これが成功したらコンフィグファイルを編集して、2画面表示のためのカスタマイズをおこないます。

初期モードでのマルチモニター表示の手順

  1. NVIDIA、AMD、インテルなど使用するGPUメーカーが提供するツールを使い、ETS2で使用したいモニターの画面結合する。
    画面の拡張表示ではなく画面結合が必要です。

  2. OSのディスプレイ設定で適切な解像度を選択する。 FHD2台なら3840x1080、3台なら5760x1080など。
  3. ETS2を起動する。
    • オプション -> 解像度 -> 適切な解像度を選択する

各工程に問題が無ければ複数台のモニターにゲーム画面が表示されます。

ETS2設定ファイルの場所

Windows 11の場合

  1. config.cfg
    • 場所 "C:\Users\<your_user_name>\Documents\Euro Truck Simulator 2\config.cfg"
    • マルチモニターモード、ゲーム内環境を変更するコンフィグファイル。
    • マルチモニターモードのパラメータr_multimon_modeの値を変更するために使用する。
  2. multimon_config.sii
    • 場所 "C:\Users\<your_user_name>\Documents\Euro Truck Simulator 2\multimon_config.sii"
    • マルチモニターモードをカスタマイズモード(r_multimon_mode値を4)にした時に読み込まれるマルチモニターコンフィグファイル。
    • r_multimon_modeの値が0から3の時には読み込まれない。
    • 左、中、右モニターのFOV(視野角)、ベゼル補正などを様々な設定できる。

<your_user_name>は自分のユーザーフォルダ名に置き換えます。

編集前と編集後には設定ファイルをバックアップすることをおすすめします。

config.cfgmultimon_config.siiファイルはメモ帳アプリなどのテキストエディターで編集します。

multimon_config.siiに関しては、開発コンソールでmultimonコマンドを使ってオンザフライで編集をおこなうこともできます。

【STEP 0】ゲームを終了しておく

テキストエディターでconfig.cfgmultimon_config.siiを編集する場合は、ゲームを終了した状態にしておきます。

【STEP 1】config.cfgの変数 r_multimon_mode の値を4にして、マルチモニターモードをカスタマイズモードを有効にする

編集するファイル
"C:\Users\<your_user_name>\Documents\Euro Truck Simulator 2\config.cfg"
<your_user_name>は自分のユーザーフォルダ名に置き換えます。

編集前
変数r_multimon_modeの初期値は0です。

uset r_multimon_mode "0"

編集後

uset r_multimon_mode "4"

設定ファイルを保存し、ゲームを起動するとmultimon_config.siiが生成されます。
既にmultimon_config.siiががある場合は既存ファイルが使われます。

multimon_config.siiの場所
"C:\Users\<your_user_name>\Documents\Euro Truck Simulator 2\multimon_config.sii"

【STEP 1-2】[推奨] わずかに下向きになっている車内カメラの視点設定をオフにする

[引用]
デフォルトの車内カメラは、トラックのダッシュボードを見やすくするために、わずかに下向きになっています。
これは通常のモニターでは問題なく動作しますが、マルチモニター環境でのサイドビューでは見栄えが悪くなります。
そのため、ゲームを起動する前にg_interior_camera_zero_pitchを1に設定し、ゲームデータを変更することなくこの機能を無効にすることをお勧めします。
[出典] ETS2 Multi-monitor support

編集するファイル
"C:\Users\<your_user_name>\Documents\Euro Truck Simulator 2\config.cfg"
<your_user_name>は自分のユーザーフォルダ名に置き換えます。

編集前

uset g_interior_camera_zero_pitch "0"

編集後

uset g_interior_camera_zero_pitch "1"

【STEP 1-3】[推奨] オンザフライで設定の編集と反映をおこなえるように開発者コンソールを有効にする

通常、multimon_config.siiの編集とゲームへの反映は、ゲーム終了 -> テキストエディターで設定ファイルを編集 -> ゲーム起動の手順を踏む必要があります。

開発者コンソールを有効にしてmultimonコマンドを使うことで、ゲームを起動したままで編集と反映をオンザフライでおこるようになります。

multimonコマンドを使うための開発者コンソール

編集するファイル
"C:\Users\<your_user_name>\Documents\Euro Truck Simulator 2\config.cfg"
<your_user_name>は自分のユーザーフォルダ名に置き換えます。

編集前

uset g_developer "0"
uset g_console "0"

編集後

uset g_developer "1"
uset g_console "1"

multimonコマンドを使うにはゲーム内で開発者コンソールを起動します。

開発者コンソールの起動方法

  • ゲームを起動した状態でキーボードのチルダキー「~」を押す。
  • コンソールを閉じるにはもう一度チルダキー「~」を押す。

【STEP 2】【パターン1】中央に27インチ、右に24インチモニターを配置した2画面表示の設定

multimon_config.siiは、初期状態では3画面表示用に設定されているので、それを2画面用に編集します。

編集するファイル
"C:\Users\<your_user_name>\Documents\Euro Truck Simulator 2\multimon_config.sii"
<your_user_name>は自分のユーザーフォルダ名に置き換えます。

順を追って編集項目を説明しますが、左記に完成形を見たい方は後半の「【完成形】」の項目へおすすみください。

multimon_config.siiの文の構造概要

具体的な編集に取りかかる前に、multimon_config.siiの文の構造を簡単に確認します。

簡略化のためにパラメーターの一部を省いています。

SiiNunit{}の中に、multimon_config : _nameless.ランダムな英数字 {}で構成された4つのブロックで構成されています。

SiiNunit
{
# モニター数とUIの位置を設定
multimon_config : _nameless.dual.c.r {
 normalized_ui_x: 0.333333  # ドライバーによって作成された仮想ディスプレイ内の UI の左下隅の位置。
 normalized_ui_width: 0.333333  # ドライバーによって作成された仮想ディスプレイ内の UI の幅。
 monitors: 3    # モニター数を設定する
 # 画面設定をセットする
 monitors[0]: _nameless.c.U2713HM
 monitors[1]: _nameless.l.S2725DS
 monitors[2]: _nameless.r.S2425HS
}

# 中央モニターの設定
monitor_config : _nameless.c.U2713HM {
 name: center
}

# 左モニターの設定
monitor_config : _nameless.l.S2725DS {
 name: left
}

# 右モニターの設定
monitor_config : _nameless.r.S2425HS {
 name: right
}

}

パラメーターmultimon_configが4つあり、その値_nameless.で始まる文字列は、各モニターをまとめる設定名と、各モニターの設定名です。
multimon_config.siiが新規に生成された際にランダムな英数字が割り当てられます。

ここでは説明用に次の名前に変更しました。

説明
_nameless.dual.c.r 2台のモニターを中央と右に配置
_nameless.c.U2713HM centerのcと機種名U2713HMの組合わせ
_nameless.l.S2725DS leftのlと機種名U2713HMの組合わせ
_nameless.r.S2425HS rightのrと機種名U2713HMの組合わせ

なお、開発コンソールでmultimon saveを実行すると、変更した_nameless.は初期化、コメント文の箇所は削除されます。

【STEP 2-1】モニター数とUIの位置を変更する

まずはモニター数とUIの位置のみを変更します。
ベゼル補正、モニターのサイズ補正はこのあとの項目でおこないます。

編集後の値、削除する箇所にコメント(#で始まる文字列)を付与しました。

編集前

3画面表示用の初期値となります。

SiiNunit
{
# モニター数とUIの位置を設定
multimon_config : _nameless.dual.c.r {
 normalized_ui_x: 0.333333  # 編集後 0.000000 ドライバーによって作成された仮想ディスプレイ内の UI の左下隅の位置。
 normalized_ui_width: 0.333333  # 編集後 0.500000 ドライバーによって作成された仮想ディスプレイ内の UI の幅。
 monitors: 3    #  2に書き換え モニター数を設定する
 monitors[0]: _nameless.c.U2713HM
 monitors[1]: _nameless.l.S2725DS   # 削除
 monitors[2]: _nameless.r.S2425HS   # 編集後 monitors[1]
}

# 中央モニターの設定
monitor_config : _nameless.c.U2713HM {
 name: center
 normalized_x: 0.333333 # 編集後 0.000000 ドライバーによって作成された仮想ディスプレイ内のモニターの左下隅の位置。
 normalized_y: 0.000000
 normalized_width: 0.333333 # 編集後 0.500000 ドライバーによって作成された仮想ディスプレイ内のモニターのビューの寸法。
 normalized_height: 1.000000
 horizontal_fov_relative_offset: 0.000000
 vertical_fov_relative_offset: 0.000000
 heading_offset: 0.000000
 pitch_offset: 0.000000
 roll_offset: 0.000000
 camera_space_offset: (0.000000, 0.000000, 0.000000)
 horizontal_fov_override: 50.000000 # 対応する視野角をオーバーライドします。両方の値が0の場合、標準カメラによって計算された角度が使用されます。少なくとも一方が0以外の場合、その値がそのまま使用され、アスペクト比を維持するようにもう一方の角度が計算されます。
 vertical_fov_override: 0.000000
 frustum_subrect_x: 0.000000
 frustum_subrect_y: 0.000000
 frustum_subrect_width: 1.000000
 frustum_subrect_height: 1.000000
 render_interior: true
 render_exterior: true
}

# 左モニターの設定。このブロックを削除
monitor_config : _nameless.l.S2725DS {
 name: left
 normalized_x: 0.000000
 normalized_y: 0.000000
 normalized_width: 0.333333
 normalized_height: 1.000000
 horizontal_fov_relative_offset: 1.000000
 vertical_fov_relative_offset: 0.000000
 heading_offset: 0.000000
 pitch_offset: 0.000000
 roll_offset: 0.000000
 camera_space_offset: (0.000000, 0.000000, 0.000000)
 horizontal_fov_override: 50.000000
 vertical_fov_override: 0.000000
 frustum_subrect_x: 0.000000
 frustum_subrect_y: 0.000000
 frustum_subrect_width: 1.000000
 frustum_subrect_height: 1.000000
 render_interior: true
 render_exterior: true
}

# 右モニターの設定
monitor_config : _nameless.r.S2425HS {
 name: right
 normalized_x: 0.666667 # 編集後 0.500000
 normalized_y: 0.000000
 normalized_width: 0.333333 # 編集後 0.500000
 normalized_height: 1.000000
 horizontal_fov_relative_offset: -1.000000
 vertical_fov_relative_offset: 0.000000
 heading_offset: 0.000000   # ベゼル補正(度単位)
 pitch_offset: 0.000000 # 表示の上下調節(度単位)
 roll_offset: 0.000000  # 表示の回転(度単位)
 camera_space_offset: (0.000000, 0.000000, 0.000000)
 horizontal_fov_override: 50.000000
 vertical_fov_override: 0.000000
 frustum_subrect_x: 0.000000
 frustum_subrect_y: 0.000000
 frustum_subrect_width: 1.000000    # 横の表示比率を変更する
 frustum_subrect_height: 1.000000   # 縦の表示比率を変更する
 render_interior: true
 render_exterior: true
}

}

編集後

SiiNunit
{
# モニター数とUIの位置を設定
multimon_config : _nameless.dual.c.r {
 normalized_ui_x: 0.000000  # ドライバーによって作成された仮想ディスプレイ内の UI の左下隅の位置。
 normalized_ui_width: 0.500000  # ドライバーによって作成された仮想ディスプレイ内の UI の幅。
 monitors: 2    # モニター数を設定する
 monitors[0]: _nameless.c.U2713HM
 monitors[1]: _nameless.r.S2425HS
}

# 中央モニターの設定
monitor_config : _nameless.c.U2713HM {
 name: center
 normalized_x: 0.000000 # ドライバーによって作成された仮想ディスプレイ内のモニターの左下隅の位置。
 normalized_y: 0.000000
 normalized_width: 0.500000 # ドライバーによって作成された仮想ディスプレイ内のモニターのビューの寸法。
 normalized_height: 1.000000
 horizontal_fov_relative_offset: 0.000000
 vertical_fov_relative_offset: 0.000000
 heading_offset: 0.000000
 pitch_offset: 0.000000
 roll_offset: 0.000000
 camera_space_offset: (0.000000, 0.000000, 0.000000)
 horizontal_fov_override: 50.000000 # 対応する視野角をオーバーライドします。
 vertical_fov_override: 0.000000
 frustum_subrect_x: 0.000000
 frustum_subrect_y: 0.000000
 frustum_subrect_width: 1.000000
 frustum_subrect_height: 1.000000
 render_interior: true
 render_exterior: true
}

# 右モニターの設定
monitor_config : _nameless.r.S2425HS {
 name: right
 normalized_x: 0.500000
 normalized_y: 0.000000
 normalized_width: 0.500000
 normalized_height: 1.000000
 horizontal_fov_relative_offset: -1.000000
 vertical_fov_relative_offset: 0.000000
 heading_offset: 0.000000   # ベゼル補正(度単位)
 pitch_offset: 0.000000 # 表示の上下調節(度単位)
 roll_offset: 0.000000  # 表示の回転(度単位)
 camera_space_offset: (0.000000, 0.000000, 0.000000)
 horizontal_fov_override: 50.000000 # 対応する視野角をオーバーライドします。
 vertical_fov_override: 0.000000
 frustum_subrect_x: 0.000000
 frustum_subrect_y: 0.000000
 frustum_subrect_width: 1.000000    # 横の表示比率を変更する
 frustum_subrect_height: 1.000000   # 縦の表示比率を変更する
 render_interior: true
 render_exterior: true
}

}

【STEP 2-2】ゲーム内GUIのシート調節機能でFOVを調節できるようにする

horizontal_fov_overrideの初期値は50です。
0以外の値を入力するとFOVが固定されて、ゲーム内GUIのシート調節機能でFOVを変更できなくなります。

ここではゲーム内GUIでFOVを調節するために0をセットします。

編集前

# 中央モニターの設定
monitor_config : _nameless.c.U2713HM {
 name: center
 horizontal_fov_override: 50.000000 # 対応する視野角をオーバーライドします。
}

# 右モニターの設定
monitor_config : _nameless.r.S2425HS {
 name: right

 horizontal_fov_override: 50.000000 # 対応する視野角をオーバーライドします。
}

編集後

# 中央モニターの設定
monitor_config : _nameless.c.U2713HM {
 name: center
 horizontal_fov_override: 0.000000  # 対応する視野角をオーバーライドします。
}

# 右モニターの設定
monitor_config : _nameless.r.S2425HS {
 name: right

 horizontal_fov_override: 0.000000  # 対応する視野角をオーバーライドします。
}

【STEP 2-3】ベゼル補正するためにheading_offsetを変更する

ベゼル補正をすることで、モニター間にまたがって表示される映像がワープしたかのように表示されるのを解消できます。

ベゼル補正をするには右モニター側のheading_offsetの値を変更します。

heading_offsetは度単位で入力します。
モニター間の境界線の幅(表示領域の端と端との距離[mm])を入力するのではないので注意してください。

中央モニターと右モニターの距離

筆者環境では中央モニターと右モニターは離して設置しています。

実際に座った位置からの見え方

実際に座った位置からはこのようにくっついて見えます。
座る位置によって見え方が全く異なるので、調節時は定位置に座っておこないましょう。

筆者環境では、座った位置から見えるモニター間の境界線の幅が約30mmで、heading_offsetの値は-3.000000度がちょうど良いあんばいでした。

編集前

# 右モニターの設定
monitor_config : _nameless.r.S2425HS {
 name: right

 heading_offset: 0.000000   # ベゼル補正(度単位)
}

編集後

# 右モニターの設定
monitor_config : _nameless.r.S2425HS {
 name: right

 heading_offset: -3.000000  # ベゼル補正(度単位)
}

【STEP 2-4】右モニターの画像を大きく表示するためにfrustum_subrect_widthとfrustum_subrect_heightを変更する

モニターは中央が27インチQHD、右側が24インチFHDという組合わせです。
単体では異なる解像度ですが画面結合により1台あたりの解像度はFHDに統一されています。

解像度は統一されていますが、物理的なサイズが異なるため、中央モニターよりも右モニターの画像が小さく表示されます。

そこで2台のモニターの画像の大きさ合わせるため、右モニター側のfrustum_subrect_widthfrustum_subrect_heightの値を変更し、右モニターの画像を大きくします。

同じインチ数なら変更する必要はありません。

画像が大きく表示されるように調節した右モニター

上記写真は、表示の大きさの確認ため、右サイドミラーがモニターをまたがるようにゲーム内の視点を右にスイベル(旋回)した状態です。

おおざっぱな調節ではありますが、中央モニターと右モニターで画像の大きさが同じになりました。

編集前

# 右モニターの設定
monitor_config : _nameless.r.S2425HS {
 name: right

 frustum_subrect_width: 1.000000    # 横の表示比率を変更する
 frustum_subrect_height: 1.000000   # 縦の表示比率を変更する
}

編集後

# 右モニターの設定
monitor_config : _nameless.r.S2425HS {
 name: right

 frustum_subrect_width: 0.920000    # 横の表示比率を変更する
 frustum_subrect_height: 0.920000   # 縦の表示比率を変更する
}

【任意】表示の上下を調節するにはpitch_offsetを変更する

pitch_offsetの値(度単位)を大きくするとモニターで見える画像の範囲が上、小さくすると下に移動します。

異なるサイズのモニターを有効表示領域基準で下揃えにした状態

初期値は0度で、異なるサイズのモニターの組合わせでは有効表示領域を基準にして下揃えにしたポジションになります。

右モニターでマイナス値にすると、ドアの低い位置にある小窓の視界を確保することができます。

もし中央27インチと右24インチモニターを上揃えにする場合は、右モニターの設定値を'4.500000'にすると、ちょうどよいあんばいでした。

編集前

# 右モニターの設定
monitor_config : _nameless.r.S2425HS {
 name: right

 pitch_offset: 0.000000 # 表示の上下調節(度単位)

}

編集後

# 右モニターの設定
monitor_config : _nameless.r.S2425HS {
 name: right

 pitch_offset: 4.500000 # 表示の上下調節(度単位)
}

【完成形】multimon_config.sii

ゴールおさらい

  • 中央27インチモニターに運転席視点を確保する。
  • 右24インチモニターに右サイドミラーと右ドア窓の視界を確保する。
  • モニターのサイズの違いを補正する。
  • ゲーム内GUIのシート調節機能でFOVを調節できるようにする。
  • ベゼル補正をする。
SiiNunit
{
# モニター数とUIの位置を設定
multimon_config : _nameless.dual.c.r {
 normalized_ui_x: 0.000000  # ドライバーによって作成された仮想ディスプレイ内の UI の左下隅の位置。
 normalized_ui_width: 0.500000  # ドライバーによって作成された仮想ディスプレイ内の UI の幅。
 monitors: 2    # モニター数を設定する
 monitors[0]: _nameless.c.U2713HM
 monitors[1]: _nameless.r.S2425HS
}

# 中央モニターの設定
monitor_config : _nameless.c.U2713HM {
 name: center
 normalized_x: 0.000000 # ドライバーによって作成された仮想ディスプレイ内のモニターの左下隅の位置。
 normalized_y: 0.000000
 normalized_width: 0.500000 # ドライバーによって作成された仮想ディスプレイ内のモニターのビューの寸法。
 normalized_height: 1.000000
 horizontal_fov_relative_offset: 0.000000
 vertical_fov_relative_offset: 0.000000
 heading_offset: 0.000000
 pitch_offset: 0.000000
 roll_offset: 0.000000
 camera_space_offset: (0.000000, 0.000000, 0.000000)
 horizontal_fov_override: 0.000000  # 対応する視野角をオーバーライドします。 ここを変えた
 vertical_fov_override: 0.000000
 frustum_subrect_x: 0.000000
 frustum_subrect_y: 0.000000
 frustum_subrect_width: 1.000000
 frustum_subrect_height: 1.000000
 render_interior: true
 render_exterior: true
}

# 右モニターの設定
monitor_config : _nameless.r.S2425HS {
 name: right
 normalized_x: 0.500000
 normalized_y: 0.000000
 normalized_width: 0.500000
 normalized_height: 1.000000
 horizontal_fov_relative_offset: -1.000000
 vertical_fov_relative_offset: 0.000000
 heading_offset: -3.000000  # ベゼル補正(度単位)
 pitch_offset: 0.000000 # 表示の上下調節(度単位)
 roll_offset: 0.000000  # 表示の回転(度単位)
 camera_space_offset: (0.000000, 0.000000, 0.000000)
 horizontal_fov_override: 0.000000  # 対応する視野角をオーバーライドします。 ここを変えた
 vertical_fov_override: 0.000000
 frustum_subrect_x: 0.000000
 frustum_subrect_y: 0.000000
 frustum_subrect_width: 0.920000    # 横の表示比率を変更する
 frustum_subrect_height: 0.920000   # 縦の表示比率を変更する
 render_interior: true
 render_exterior: true
}

}

【パターン2】左に27インチ、中央に27インチモニターを配置した2画面表示の設定

パターン1と同じ要領でmultimon_config.siiを編集し、左に27インチ、中央に27インチモニター、を配置して、2画面表示する設定をおこないます。

今度は同じサイズのモニターです。

単純にrightをleftに書き換えるだけではありませんのでご注意ください。

左に27インチ、中央に27インチモニターを配置した2画面表示

左モニターの視界

ベゼル補正後の中央と左モニターの境界線の見え方

モニターの境界線で画像が単純に2画面に分割されるのではなく、ベゼル補正によって境界線で見えなくなっている幅を補正して描画されています。

【完成形】multimon_config.sii

ゴールおさらい

  • 中央27インチモニターに運転席視点を確保する。
  • 左27インチモニターに運転席から見た助手席(乗客席)方向への視界を確保する(左ドア窓、左サイドミラー、フロントミラーが見えるようにする)。
  • ゲーム内GUIのシート調節機能でFOVを調節できるようにする。
  • ベゼル補正をする。
SiiNunit
{
# モニター数とUIの位置を設定
multimon_config : _nameless.dual.l.c {  # ここを変えた
 normalized_ui_x: 0.500000  # ここを変えた
 normalized_ui_width: 0.500000
 monitors: 2
 monitors[0]: _nameless.c.U2713HM
 monitors[1]: _nameless.l.S2725DS   # ここを変えた
}

# 中央モニターの設定
monitor_config : _nameless.c.U2713HM {
 name: center
 normalized_x: 0.500000 # ここを変えた
 normalized_y: 0.000000
 normalized_width: 0.500000
 normalized_height: 1.000000
 horizontal_fov_relative_offset: 0.000000   # ここを変えた
 vertical_fov_relative_offset: 0.000000
 heading_offset: 0.000000
 pitch_offset: 0.000000
 roll_offset: 0.000000
 camera_space_offset: (0.000000, 0.000000, 0.000000)
 horizontal_fov_override: 0.000000
 vertical_fov_override: 0.000000
 frustum_subrect_x: 0.000000
 frustum_subrect_y: 0.000000
 frustum_subrect_width: 1.000000
 frustum_subrect_height: 1.000000
 render_interior: true
 render_exterior: true
}

# 左モニターの設定
monitor_config : _nameless.l.S2725DS {  # ここを変えた
 name: left # ここを変えた
 normalized_x: 0.000000 # ここを変えた
 normalized_y: 0.000000
 normalized_width: 0.500000
 normalized_height: 1.000000
 horizontal_fov_relative_offset: 1.000000   # ここを変えた
 vertical_fov_relative_offset: 0.000000
 heading_offset: 3.000000   # ここを変えた
 pitch_offset: 0.000000
 roll_offset: 0.000000
 camera_space_offset: (0.000000, 0.000000, 0.000000)
 horizontal_fov_override: 0.000000  # ここを変えた
 vertical_fov_override: 0.000000
 frustum_subrect_x: 0.000000
 frustum_subrect_y: 0.000000
 frustum_subrect_width: 1.000000    # ここを変えた
 frustum_subrect_height: 1.000000   # ここを変えた
 render_interior: true
 render_exterior: true
}

}

今回の投稿で登場した製品

以上

VESA100対応モニターアーム ピックアップ

選定の際は、モニター耐荷重Cクランプの締め方をご確認ください。

  • 同じ画面サイズでも重量には差があるので、インチ数だけでなく耐荷重も確認します。
  • 天板裏に段差や構造物があるデスクにはスリムクランプ式がおすすめです。

クランプの締め方 3タイプ

  1. 上から締めるスリムクランプ
    • 天板の表からクランプを六角レンチで締めます。
    • 天板裏へボルトが出っ張らないので、天板裏の構造物にハンドルやボルトが干渉して設置できなかったデスクでも設置できる可能性が高まります。
  2. ハンドル無しボルトで机の下からクランプを締めるタイプ
    • 六角レンチでボルトを締めます。
    • ハンドルがないため、天板裏の構造物にハンドルがが干渉して設置できなかったデスクでも設置できる可能性が高まります。
  3. ハンドル付きボルトで机の下からクランプを締めるタイプ
    • 手回しハンドルで工具不要でクランを締められるが、ハンドルが大きく天板裏への出っ張りが大きい。
    • 天板裏に構造物があるとハンドルが干渉し取付けできない可能性がある。

上から締めるスリムクランプ式


[荷重範囲] 1kgから9kg。
上から締めるスリムクランプ


[荷重範囲] 1kgから9kg。

ハンドル無しボルトで机の下からクランプを締めるタイプ


[荷重範囲] 2kgから9kg。

ハンドル付きボルトで机の下からクランプを締めるタイプ


[荷重範囲] 2kgから7kg。

アームの動かしやすさを求めるならエルゴトロン製


[荷重範囲] 34インチまで。3.2㎏から11.3㎏まで。
エルゴトロンとはVESA規格のモニターアーム製品の老舗。アメリカに本社を置き人間工学に基づいた製品開発をする会社です。

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発売日 2024年9月25日
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前モデル「Ultimate C 2.4g Wireless Controller」のアナログスティック改良版。


対応環境 Windows 10 and above、Android 9.0 and above
接続 ワイヤレス2.4Gアダプタによる無線接続。またはUSBケーブルによる有線接続(コントローラー側はUSB-Cポート)。またはBluetooth接続。

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